森林農法「アグロフォレストリー」が人類と生き物、地球を助ける

「アグロフォレストリー」という言葉を聞いたことがありますか?最近は、アグロフォレストリーチョコレートやアグロフォレストリーコーヒーと記載された商品も見られるようになってきました。

このアグロフォレストリーが、発展途上国で暮らす農民や地球環境を救う鍵として今注目をされているんです。今回は、メキシコでコーヒーを有機栽培するトセパン協同組合を例にアグロフォレストリーを分かりやすくご紹介します。

みなさんもアグロフォレストリーの知識を深めて、美味しいコーヒーを飲みながら地球環境保全に貢献してみませんか?

アグロフォレストリーって何?

アグロフォレストリーとは、「Agriculture」農業+「Forestry」林業が合わさった造語で「森林農法」のこと。1種類の作物を育てるだけでなく、果樹や材木樹などさまざまな種類の植物と一緒に育てる農法で、森を作る農業や森を守る農業とも言われています。

森でコーヒーを有機栽培するトセパン協同組合

森でさまざまな種類の作物や果樹などを同時に育てると生産者の生活の安定や自然環境の保全に繋がります。具体的にどんなメリットが生まれるのか探ってみましょう。

メリット1.生産者の安定した暮らし

さまざまな種類の作物や果樹などを同時に育てることで、生産者は年間を通して収穫ができ収入も安定します。例えば、メキシコのトセパン協同組合では、コーヒーと収穫時期の異なる養蜂を行いハチミツを収穫し販売しています。コーヒーの他にも、バナナやオレンジなどの果樹や他の作物も栽培しており、もし、長雨やハリケーンなどの自然災害でコーヒーに被害を受けても、別の作物を販売したり自給用の作物でピンチを切り抜けることができるのです。

メリット2.生物多様性が豊かになる

ひとつの種類の作物だけを育てると害虫や病気を防ぐために農薬や化学肥料を使います。大量に生産ができますが、生産者の身体に影響を与えてしまいます。さらに、土や空気までも荒れ、害虫を食べてくれる虫さえも死んでしまうため森が破壊されてしまうのです。さまざまな種類の作物を同時に育てると、枯れた葉が肥料となったり、高い木々が直射日光を避け木陰を作ります。また、害虫を食べてくれる動物が生息するなど生物の生態系バランスが保たれ生物多様性が豊かになり多くの生物が森に住み出すのです。結果、農薬や化学肥料を使わなくても丈夫に育ちますし、生産者にとっても農薬などの経費の削減にも繋がります。

メリット3.地球環境を守る

氷河が溶け海面が上昇したり、年々気温が上がるなど地球温暖化が深刻化し地球の未来が不安視されています。近年、日本でも大型の台風が日本を襲い記録的な雨量が河川を氾濫させ甚大が被害が生じていたり、夏は連日の猛暑日や10月なのに真夏日があったりと異常現象が起こってみなさんも実感しているのではないでしょうか。これらは森林を伐採し二酸化炭素が増えたことが原因とされています。アグロフォレストリーは、単一栽培よりも多くの二酸化炭素を吸収し酸素を供給しているため地球温暖化防止に貢献できると期待されているのです。

アグロフォレストリーの課題

アグロフォレストリーを成功させるためには、十分な計画と技術を取得することや多額の資金確保が必要です。しかし、この森林農法を実践する場所の多くは、広大な敷地を持ち作物を育てて生活をしている発展途上国です。アグロフォレストリーで育てた原料を使い商品化している日本の大手企業もあり、資金や設備、技術取得のサポートを行なっています。しかし、大手企業ばかりがサポートをしてくれる場所ばかりではありません。他の国の支援を受けながら自身の国や団体でしっかりとした計画やお金の管理も必要なのです。

アグロフォレストリーで育った作物を食べて支援しよう!

発展途上国の生産者の暮らしを向上させたり、地球環境を守るために今私たちができることとは何だと思いますか?アグロフォレストリーの問題点でも触れたように、この農法をもっと世界中の人々に認知してもらうことが必要です。日本では、アグロフォレストリーで育ったコーヒーやチョコレート、果物を食べることができます。今、私たちができることとは、アグロフォレストリーで育った物を食べて支援すること!これが、生産者や地球を救うための第一歩なのではないでしょうか。

ABOUTこの記事をかいた人

Kataoka Hana

かたおか はな/ 5歳の娘と1歳の息子を育てるママ。家族の健康と自身の喘息改善をきっかけに野菜ソムリエの資格を取得。野菜の栄養を生かしたレシピを考案したり、野菜を食べられるお店を紹介するライターとして活動中。日々、野菜やフルーツの旨さや栄養をお届けしています。