世界で最も農薬が使われている作物は綿花なのですが、なんと2番目は「コーヒー」なんです!健康にも美容にも良いとされるコーヒーなので、毎日のように飲まれている方も多いでしょう。しかし、そのコーヒーに農薬や化学肥料が使われていると分かったらあなたは飲みますか?
今回は、オーガニックコーヒーについて探ってみました。有機栽培の大切さや手間隙かける栽培方法、有機認定の難しさや美味しく飲むための秘訣を紹介します。普段飲んでいるコーヒーと是非比較してみて下さいね。
オーガニックコーヒーってどんなコーヒー?
オーガニックとは直訳すると「有機の」と意味するように、農薬や化学肥料を使わず他の農作物の枯れた葉などを肥料にしたり土中の微生物などを活用した農法を有機栽培と言います。その有機栽培で育ったコーヒー豆を使用しじっくりと焙煎したのが「オーガニックコーヒー」なのです。
有機栽培の大切さとは
通常のコーヒー栽培は、広大なプランテーションに農薬や化学肥料をたくさん使って育て大量生産を行なっています。一方のオーガニックコーヒーは、農薬や化学肥料を使わず害虫や病気に立ち向かい自然の恵みを生かしながら、手間隙かけて作るため大量生産はできません。生産量が少なければ市場価値は上がるものの、生産者は十分なお金を得ることができないのに何故、有機栽培をするのか疑問をもたれるでしょう。
ましてや、コーヒーを栽培するのは発展途上国の生産者が圧倒的に多いのになぜでしょうか。
有機栽培を行う2つの理由
生産が有機栽培を行いそれを広める理由は下記の2つにあります。
1生産の健康に害を及ぼす
先にも触れたように、コーヒー栽培には多量の農薬を使用します。農薬を散布し化学肥料を使い続ければ生産者の身体にも影響を及ぼすリスクが生じてしまったのです。一家の主人が倒れれば、当然家族は路頭に迷い生活が出来なくなってしまったり、児童労働者が増え学校へ行けない子どもたちも出てきます。有機栽培は生産者の健康だけでなく生活の安定にも繋がるのです。
2地球環境を悪化させてしまう
化学肥料が使われ続ければ土壌が汚され、土の中に住む微生物や虫がいなくなってしまうだけでなく、農作物が育ちにくい環境にも。また、農薬が散布されると害虫や病気を防ぐことができますが、空気が汚されるうえに散布された葉や実を食べる鳥や虫が病気になったり亡くなったりするのです。すると動物や植物の生態系が破壊され地球環境にも影響を及ぼすことになるのです。木々や緑が多い場所には生き物がたくさん生息し植物もたくさん育ちます。二酸化炭素の吸収率もアップするため地球が抱える温暖化予防にも貢献できるとされています。
優れた有機栽培の技術
農薬や化学肥料を使わずどうやってコーヒーを育てているのでしょうか。
コーヒーと他の作物を同時に育てる「アグロフォレストリー」
例えば、森林農法「アグロフォレストリー」といった栽培方法はコーヒーと一緒にバナナやオレンジの果樹や他の農作物と同時に育てます。すると、枯れたバナナの葉が土にかえり肥料となったり、コーヒーの木よりもさらに大きい木々が木陰を作ってくれたりするのです。また、木々や緑が多い場所には豊かな空気や水、微生物や動物も生息し害虫を食べてくれたり病気に打ち勝つ力が自然と育つのです。
コーヒーの果実を生かした栽培技術
メキシコでコーヒーを有機栽培するトセパン協同組合では、コーヒー果実を生かした栽培を行っています。コーヒー果実からアルコールを作り害虫から守るためのトラップを作成しているそうです。農薬や化学肥料を使わなくても手間隙と愛情をかければコーヒーはしっかりと育ってくれます。
砦となる有機認定
農薬や化学肥料を使わずいくら手間隙をかけても国際機関が定めた有機認定基準をクリアしなければオーガニックコーヒーとして販売や輸入することができません。基準内容はとても厳しく、過去3年以上農薬や化学肥料を使っていない土壌や土地で栽培しているか、焙煎や加工段階で添加物などを使用していないかなど厳しく品質がチェックされるのです。海外の基準をクリアしても、日本でオーガニックコーヒーとして販売するには「有機JASマーク」の認定も受ける必要があります。日本で販売しているオーガニックコーヒーは、これらの厳しい基準をクリアしたまさに勝ち組のコーヒーと言えますね。
オーガニックコーヒーを美味しく飲む秘訣
有機栽培されたコーヒー豆を美味しいオーガニックコーヒーにするには、焙煎方法がポイントとなります。コーヒー豆は、産地や季節によって豆の状態がことなりますし、酸味や苦味、フルーティな味わい、ほのかな酸味など飲まれる方の好みもありますよね。焙煎は深いほど苦味が強くなるので、有機栽培された豆本来の味や香りを楽しめるミディアムローストがオススメです。オーガニックコーヒーを飲む際の参考にしてみて下さいね。