トクホ、機能性表示食品、栄養機能食品ってどう違うの?

健康への効果を表示したさまざまな食品が販売されています。商品パッケージを見ると、「特定保健用食品」もあれば「機能性表示食品」もあり、「栄養機能食品」と表示しているものも。それぞれどう違うのでしょうか。

保健機能食品とは?

特定保健用食品は「トクホ」と呼ばれます。このトクホと機能性表示食品、栄養機能食品の3つを合わせて「保健機能食品」と言います。

保健機能食品という言葉は、私たちが日常で耳にすることはほとんどありません。制度上の分類方法であるとイメージしてください。これら3つの制度は消費者庁が所管しています。

トクホとは?機能性表示食品とは?栄養機能食品とは?

トクホとして販売するには国の許可が必要です。安全性や健康への効果は国が審査します。許可には億単位のコストと2~4年の時間がかかるため、申請者のほとんどは大企業です。

そこで、中小企業でも利用できる機能性表示食品制度が2015年に導入されたわけです。

機能性表示食品は企業が消費者庁へ届け出て、届出資料に不備がないかを消費者庁がチェックします。問題がなければ届出から2カ月程度で販売が可能です。費用がかかる臨床試験の実施は必須ではなく、研究論文を集めて総合判断する手法によって効果を確認することも認められています。

このようにトクホは安全性と効果を国が審査し、機能性表示食品は企業の責任でそれらを担保します。どちらがより安全で、より効果があるのかが気になるところですが、トクホと機能性表示食品に差はありません。どちらを選んでも、あなたが受けるメリットは同程度なのです。

一方、栄養機能食品は対象成分があらかじめ決まっています(ビタミン13種・ミネラル6種・脂肪酸1種)。各成分の表示可能な機能も、国があらかじめ設定しています。

栄養機能食品として販売する場合、企業は表示したい成分の含有量が、国が定めた上限量と下限量の間にあることを確認しなければなりません。ただし、国の許可や届出などの手続きは不要です。

どう使い分ければいいの?

商品を選ぶ際に、トクホか機能性表示食品か、それとも栄養機能食品がいいのかと悩みませんか?適切な商品選択を行うためには、まず3つの制度の特徴を知ることが大切です。

トクホと機能性表示食品は、「お腹の調子を整える」「血圧が高めの方に」というように、特定の効果が期待される商品。血圧・血糖値・コレステロール値などへの影響や、腸・肌・歯・骨などの健康維持をうたった商品が販売されています。

もし、あなたが便秘気味であったり、血圧や血糖値が高めであったりする場合、トクホまたは機能性表示食品のどちらかを選択することになります。

知っておきたいのは、機能性表示食品にはトクホで見られないさまざまな効果を表示した商品がそろっていること。例えば、「目のピント」「睡眠の質」「認知機能」「ストレス」「膝関節」「肝機能」「手足の冷え」などに対する効果の表示は、今のところ機能性表示食品にしかありません。

ビタミン・ミネラルが不足気味の方は栄養機能食品を選ぼう!

トクホと機能性表示食品が特定の用途のために利用されるのに対し、栄養機能食品は1日に必要なビタミンやミネラルが不足しがちな場合に利用されます。

「最近、野菜不足かも」「外食が増えたけど、ビタミンやミネラルは足りている?」と心配な方には、栄養機能食品“一択”となります。

栄養機能食品のパッケージには「栄養機能食品(成分名)」と表示していますので、補給したい成分かどうかを見て商品を選びましょう。

例えば、ビタミンCを補給したい方は、「栄養機能食品(ビタミンC)」と表示された商品を選びます。パッケージには「ビタミンCは、皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用を持つ栄養素です」と、成分の機能も記載されています。

3つの制度の課題と今後の行方

3つの制度にはそれぞれ課題もあります。

トクホについては、許可される表示が広がらず、加えて莫大なコストがかかることから、業界のトクホ離れが顕著です。

このため、トクホ制度をどのような形で生き残らせて、活性化させていくのかが深刻な問題として浮上。消費者庁では2022年度からトクホ制度の見直しに向けた調査事業や検討を進める予定です。

機能性表示食品については、一部の企業で科学的な検証が十分に行われていないケースもあり、全体のレベルアップが課題です。業界の底上げに向けて、届出ガイドラインの厳格化といった対応が求められています。

栄養機能食品では、表示内容の拡充が課題に挙がっています。消費者庁は表示内容を広げるための検討作業に入る方針を示しています。

賢く利用して食生活をサポート

トクホ、機能性表示食品、栄養機能食品の違いを理解できたでしょうか。それぞれの目的や用途を知れば、適切な商品選択が可能になります。

健康のためには食生活を見直すことが基本ですが、それをサポートする観点から、保健機能食品を賢く利用してみましょう。

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フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。