健康食品の販売サイトには、次の二つの傾向が見られます。一つは、「血糖値が高めの方に」「体脂肪を減らす」など健康への効果をダイレクトに表示しているサイト。もう一つは、健康への効果を表示していないサイト。
見比べると「実際に効果があるから表示しているのでは?」「表示していないのは効果が少ないからでしょ?」と思うかもしれませんね。なぜ、このように分かれているのでしょうか?
健康への効果を表示できる健康食品とは?
はじめに、健康への効果を表示できる健康食品について説明します。健康への効果を表示できるのは、以下の3つです。
1.特定保健用食品(トクホ)
国の許可によって表示できる制度。
2.機能性表示食品
販売会社が国へ届け出ることによって表示できる制度。
3.栄養機能食品
ビタミン・ミネラルなどが一定量含まれている場合に表示できる制度。
トクホや機能性表示食品などは、「おなかの調子を整える」「血圧が高めの方に」といった健康への効果を表示できます。しかし、それ以外の一般的な健康食品については、健康への効果を表示することは法律で禁止されています。違反すると販売会社は罰則を受けます。
どのような場合に法律違反となるの?
まず、病気の「予防」・治療の「効果」を表示した場合です。
たとえば、「インフルエンザを予防」「糖尿病を改善」といった表示はNGです。次に、「1カ月で10㎏痩せる」といった大げさな効果を表示した場合も違法となります(この2点についてはトクホや機能性表示食品であっても違法)。
さらに、「血圧」「血糖値」「免疫」などの健康に関する言葉もNG。「関節」「目」「肝臓」などの体の部位に関する言葉も広告に使用できません。
真面目な販売サイトの見分け方
しかし、トクホでも機能性表示食品でもない健康食品なのに、健康への効果を表示している販売サイトも少なくありません。一般的な健康食品で、健康への効果を表示している販売サイトと、そうでない販売サイトが混在しているわけですが、その理由は明らかです。
健康への効果を表示している販売サイトは、単純に法律に違反しているのです。
意図的に違法な表示によって売上を伸ばそうとしているのか、または法律の知識が不足しているためなのかのどちらかでしょう。
本来、そうした販売サイトはすべて取り締まりの対象。しかし、インターネット上にはあまりにも多くの販売サイトがあるため、取り締まりが追い付いていないのが現状です。
反対に、健康への効果を表示していない販売サイトは少し控えめな印象を受けるかもしれませんがしっかりと法律を守り、真面目に取り組んでいるというわけです。
トクホや機能性表示がない健康食品は効果がないの?
トクホは申請に億単位の費用がかかるため、制度を活用できる企業はごく少数に限られます。さらに、健康への効果をもちながら、機能性表示食品制度の要件に合わないために届出ができない商品も存在します。
トクホや機能性表示食品は、もともと一般的な健康食品として販売されていた商品も多数あります。トクホや機能性表示を取得し発売するケースも少なくありません。
健康への効果を表示できるのはトクホや機能性表示食品などだけですが、一般的な健康食品に効果がないわけではありません。トクホや機能性表示食品と同じ内容の商品が、一般的な健康食品として販売されています。
違法販売サイトは取り締まりの対象
法律に違反して健康をあおっている販売サイトでは、お客様とトラブルを起こしやすい傾向にあります。また、購入した商品について問い合わせをしようとしても電話がつながらず、連絡が取れないことも。
健康食品の広告の取り締まりは、消費者庁や都道府県が行っています。警察が動く場合もあります。厳しく取り締まるのは、違法な広告を見た病人が薬の代わりに健康食品を利用して、病状を悪化させる恐れがあるためです。
行政処分を受けると、企業名が公表されます。事業者によっては販売サイトを閉じて、社名を変えて販売を再開するという悪質なケースも。この場合、購入者は問い合わせや解約・返金に応じてもらえなくなります。
安心できる販売サイトを選ぼう
では、安心してネット上で健康食品を購入するには、どうすればよいのでしょうか?
ここまで見てきたように、一般的な健康食品について健康への効果をダイレクトに表示する販売サイトを避けることがポイント。少し物足りないという印象を受けるくらいが、適正な販売サイトの姿だと言えるでしょう。また、問い合わせの電話がつながりやすいかを確認することも、有効な方法です。
信頼できる販売サイトを見つけることは、意外と簡単かもしれませんね。商品を購入する前に一息ついて、販売元のサイトをしっかりと確認してみましょう!