知らないと損をする。栄養成分表示ルールの基本をまずは覚えよう!

買い物で食品を選ぶ時に、あなたはどのような表示が気になりますか?ダイエット中の方は「カロリー」かもしれませんね。年配の方ならば「塩分」などが気になるでしょう。そうした情報を商品パッケージで国の基準に基づいて伝えているのが、「栄養成分表示」。栄養成分表示の基礎知識について解説します。

栄養成分表示って何?

栄養成分表示制度は加工食品を対象に、「熱量(カロリー)」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「ナトリウム(食塩相当量)」の表示を義務づけています。

これら5項目は、私たちの生命を維持するために不可欠。同時に、生活習慣病とも深い関わりがあります。栄養成分表示を見れば、食品中の5項目の量がわかります。

「飽和脂肪酸」と「食物繊維」は義務ではなく、表示を推奨。ミネラル類やビタミン類、脂肪酸の一部、コレステロール、糖質・糖類については企業の任意で表示できます。

栄養成分表示は、必要な栄養成分を過不足なく摂取するために役立つ情報源なのです。

栄養成分表示の基本

栄養成分表示では、熱量(カロリー)と各栄養成分の含有量を「100gあたり」「100㎖あたり」「1食あたり」「1包装あたり」などの単位で表します。その際には、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウム(食塩相当量)の順番で記載するのがルールです。

ナトリウムは食塩相当量で表示します。かつてはナトリウムとして表示していましたが、消費者にとってわかりにくいことから、現在は食塩相当量となっています。ナトリウムと食塩相当量の関係は、「ナトリウム(mg)×2.54÷1000≒食塩相当量(g)」です。

栄養強調表示って

「高たんぱく質」や「低カロリー」など、特定の栄養成分を多く含有したり、カロリーを抑えたりしていることを伝える表示についても、栄養成分表示制度で基準を設けています。これらは「栄養強調表示」と呼びます。

栄養強調表示は、(1)補給ができる旨の表示、(2)適切な摂取ができる旨の表示、(3)糖類やナトリウム塩を添加していない旨の表示――に分かれます。

(1)「高〇〇」「〇〇含有と強調する表示

補給ができる旨の表示には次の3種類があります。

  • 「高〇〇」「〇〇豊富」など、多く含有するという意味の表示。
  • 「〇〇供給」「〇〇含有」など、含有するという意味の表示。
  • 「〇〇30%アップ」「〇〇2倍」など、強化しているという意味の表示。

対象となる栄養成分は、たんぱく質、食物繊維、亜鉛、カリウム、カルシウム、鉄、銅、マグネシウム、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、B1、B2、B6、B12、C、D、E、K、葉酸。

表示のルールは、食品表示法の食品表示基準で定められています。例えば、「高たんぱく質」と表示する場合、100gあたりに16.2g以上含む必要があります。また、「高カルシウム」は100gあたりに204mg以上というように、成分ごとに基準を定めています。

(2)〇〇ゼロ」「低〇〇」と強調する表示

適切な摂取ができる旨の表示には次の3種類があります。

  • 「無〇〇」「〇〇ゼロ」など、含まないという意味の表示。
  • 「低〇〇」「〇〇控えめ」など、含有量が少なめという意味の表示。
  • 「〇〇ハーフ」「〇〇30%カット」など、低減しているという意味の表示。

対象となるのは、熱量、脂質、飽和脂肪酸、コレステロール、糖類、ナトリウム。

これらの基準も食品表示基準で規定しています。例えば、「カロリーゼロ」と表示するには、熱量が100gあたり5kca未満であることが条件。「低カロリー」は、100gあたり40kcal以下としています。

3「糖類無添加」「食塩無添加」と強調する表示

「糖類無添加」「砂糖不使用」と表示するためには、いかなる糖類も添加していないこと、糖類に代わる原材料・添加物を使用していないことなどが要件です。

例えば、ショ糖やブドウ糖を添加していないが、糖類を含むジャムやゼリーを原材料として使用している場合は表示できません。同様に、「食塩無添加」「塩分無添加」と表示するためには、いかなるナトリウム塩も添加していないこと、ナトリウム塩に代わる原材料や添加物を使用していないことが求められます。

例えば、原材料にしょうゆやウスターソースを使用しているケースでは表示できません。

制度の対象外の成分を強調する表示

制度の対象となる栄養成分は、前述したように食品表示基準で定めています。それ以外の成分を強調して表示することも可能です。

その場合、栄養成分表示と切り離して、近い箇所に記載します。例えば、健康食品で人気の「コラーゲン」を配合していると強調するには、以下の図(出典:消費者庁ホームページ)のように、栄養成分表示欄の外側に記載します。

商品選択に役立ててみよう!

栄養成分表示は、バランスの良い食生活を実現するための情報源。「高たんぱく質」「低カロリー」「食塩無添加」といった栄養強調表示も、健康に役立つ商品を選ぶための目安となります。

栄養成分表示をしっかりと理解して、食品を購入する際に役立ててみましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。