「カルシウム」ってどんな栄養素?知っているようで知らない大切なカルシウムについておさらいしよう。

ミネラルの1種である「カルシウム」は、健康を守るうえで、日々の食事から適量を摂取しなければなりません。「カルシウム不足かな」と思ったら、乳製品や小魚をしっかり食べることが必要です。仕事や家事で忙しい方には、カルシウムを強化した栄養機能食品の利用がオススメ。健康的な毎日を過ごすために、カルシウムの基礎知識を押さえておきましょう。

カルシウムはミネラルの1種

カルシウムは、体の機能の維持や調節に欠かせないミネラルの1つ。体内に存在する量はミネラルの中でもっとも多く、成人の場合は約1㎏と言われています。

カルシウムは、消費者庁が所管する栄養機能食品制度の対象成分の1つ。栄養機能食品の場合、「カルシウムは、骨や歯の形成に必要な栄養素です」と表示できます。このように骨や歯の健康を守る上で、大切な栄養素なのです。

カルシウムを強化した栄養機能食品には、サプリメントをはじめ、菓子、飲料、デザート類まで、さまざまなタイプの商品があり、一般的な商品と同程度の価格で販売されています。

カルシウムはどのくらい摂取すべきか

カルシウムは、どのくらいの量を摂取するとよいのでしょうか。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、男性の推奨量は、15歳~29歳が1日あたり800mg、30歳~74歳が750mg。女性では15歳~74歳が550mgと設定されています。

また、栄養機能食品(カルシウム)では、不足分を補う観点から、1日分あたりに204mg~600mgの配合がルール化されています。

カルシウムを多く含む食品は乳製品や小魚だけでない

日常の食事からカルシウムをしっかり摂ることが、健康を守る上で大切です。カルシウムは、どのような食品に多く含まれているのでしょうか。

最初に思い浮かぶのは、牛乳や小魚ですよね。牛乳はコップ1杯(200g)にカルシウムを220mg含有。ヨーグルトは1パック(100g)に120mg、プロセスチーズは1切れ(20g)に126mg含んでいます。

小魚は、シシャモ3尾に149mg、サクラエビ大さじ1杯(5g)に100mg含まれています。

野菜や豆類にも、カルシウムが豊富に含まれていることをご存じでしょうか。小松菜は4分の1束(70g)あたりに119mg、水菜は50gあたりに105mg、切り干し大根は煮物1食分(15g)に81mgのカルシウムを含んでいます。

豆類を見ると、木綿豆腐は2分の1丁(150g)あたりに180mg、厚揚げは2分の1枚(100g)240mg、納豆は1パック(50g)に45mgです。

カルシウムの吸収はマグネシウムやリンとも関係

食事から摂取したカルシウムは小腸から体内へ吸収されますが、吸収率は25~30%(成人)と低い傾向にあります。

さらに、カルシウムの吸収効率は食事の内容にも左右されます。特に、カルシウムとともに骨・歯の健康に重要な役割をはたすマグネシウムやリンなど、ほかのミネラルと深い関係性があります。

例えば、マグネシウムが不足するとカルシウムの排出量が増加し、カルシウムを過剰に摂取すると、マグネシウムが吸収されにくくなります。マグネシウム「1」に対して、カルシウム「2~3」が理想的なバランスと言われています。

リンも骨や歯の健康に不可欠な成分ですが、過剰に摂取するとカルシウムの吸収を阻害します。

つまり、カルシウムをはじめ、マグネシウム、リンなどのミネラル類は、不足しても過剰に摂取しても健康によくないわけですね。

カルシウムの吸収促進にはビタミンDも重要

カルシウムの吸収を促進させるためには、ビタミンDも必要です。このため、カルシウムだけでなく、ビタミンDが豊富なイワシやサンマ、シイタケなどもしっかりと食べることが大切です。

また、ビタミンDは日光を浴びることによって、体内で生成されます。天気の良い日は外出したり、昼間は日の当たる部屋で過ごしたりするとよいでしょう。

健康食品のカルシウムにはさまざまなタイプがある

健康食品やサプリメントに使用されるカルシウムは、「炭酸カルシウム」や「クエン酸カルシウム」が主流。価格面では炭酸カルシウムの方が優れています。

また、化学的に処理されたカルシウムと、自然のままの姿に近いカルシウムに分けることも可能です。

化学的な処理を施す炭酸カルシウムの場合、原材料の粉砕→焼成→炭酸化などの工程を経て製造されます。

これに対し、自然のままの姿に近いカルシウムの場合、貝の化石などの原材料に加熱殺菌処理を施して、粉末化するだけ。小魚や野菜などに含まれるカルシウムと同じような性質と言われています。

このほか、使用する原材料によって、貝殻に含まれる「貝カルシウム」、牛乳から分離する「ミルクカルシウム」、卵の殻に含まれる「卵殻カルシウム」といった区分の仕方もあります。

基本は食事の見直し、栄養機能食品の活用も有効

カルシウムを適切に摂取するには、まず毎日の食事を見直すことが大切。特に育ち盛りの子どもがいる家庭では、不足しないように注意してくださいね。

忙しくて食事もろくにとれないという方には、栄養機能食品(カルシウム)の利用も有効な手段となります。あなたの生活スタイルに合った形態の栄養機能食品を見つけて、試してみてはいかがでしょうか。

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フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。