健康食品でよく耳にする「デキストリン」ってどんな成分なの？

健康食品やサプリメントの広告で、「難消化性デキストリン」や「サイクロデキストリン」といった成分名が出てきます。健康や美容に役立つことは何となく理解できるのですが、そもそもデキストリンとはどのような成分なのでしょうか？

デキストリンとは？

ジャガイモやサツマイモ、トウモロコシなどには「でんぷん」が多く含まれています。でんぷんは、植物が光合成をして作る炭水化物。たくさんのブドウ糖（グルコース）がつながったもので、主にアミロースとアミロペクチンで構成され、その構成比率は食材・品種によって違います。

でんぷんを酵素や酸などで処理し、加水分解によって成分のサイズを小さく（低分子化）したものが、デキストリンです。

デキストリンはさまざまな加工食品に利用されています。例えば、食感を出すためにデキストリンを配合してトロミをつけたり、滑らかにしたりします。また、液体を粉末状にしたり、顆粒の調味料を溶けやすくしたりするといった目的でも使われています。

「粉あめ」「マルトデキストリン」「デキストリン」に分類

このように、デキストリンはブドウ糖で構成される多糖類の1種です。デキストロース当量値（DE値）によって、「粉あめ」「マルトデキストリン」「デキストリン」に分類されます。

DE値はでんぷんの分解度の指標で、「0」に近づくほどデンプンに近い性質を持ちます。反対に、「100」に近づくほどブドウ糖に近い性質を持ち、溶解性が高く、甘味も強くなります。

分解の程度によって特性が大きく変わり、用途先も異なってきます。

トクホや機能性表示食品で人気の「難消化性デキストリン」

健康食品やサプリメントの広告で、「難消化性デキストリンを配合」といった宣伝文句を見かけることが増えました。

難消化性デキストリンは人気成分の1つで、有効性に関する研究が進んでいることから、特定保健用食品（トクホ）や機能性表示食品で多くの商品に配合されています。

難消化性デキストリンは、トウモロコシのでんぷんを原料として製造されます。消化酵素の1つのアミラーゼを用いて加水分解し、その中から難消化性（消化しにくい）成分を取り出したものです。

体内で消化されにくいという性質に着目して、有効性に関するヒト試験が多数実施され、複数の生理機能が確認されています。

水に溶けやすく、耐熱性や耐酸性にも優れています。このため、飲料をはじめ、さまざまな形態の加工食品に利用しやすいという、使い勝手の良さも特長です。

安全性についても、内閣府の食品安全委員会による安全性評価を経て、トクホの関与成分となっています。過剰に摂取しない限り、安全性で心配は不要と考えられています。

話題の「サイクロデキストリン」とは？

難消化性デキストリンに並んで、「サイクロデキストリン」という成分も健康食品・サプリメント分野で話題となっています。

サイクロデキストリンは、トウモロコシやジャガイモに含まれるでんぷんを原料に用いて製造されます。「環状オリゴ糖」とも呼ばれます。

なぜ、「環状オリゴ糖」と呼ばれるかと言うと、サイクロデキストリンはドーナツ状の分子構造（環状）をしているからです。その内側に、物質を取り込むことができる包接機能を持ちます。

この包接機能によって、水に溶けにくい物質の溶解性を高めたり、反対に発揮性を抑制したりすることもできます。糖類や油脂成分を抱え込むことも可能です。また、体内で消化しにくいという性質も持っています。

そうした特性に着目し、水溶性食物繊維として健康食品やサプリメントに利用されています。さらに、化粧品や消臭スプレーなどにも使われています。

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ここまで、大きな市場を抱える「難消化性デキストリン」と「サイクロデキストリン」について見てきましたが、ナチュラルな食物繊維を摂りたいというニーズや、有機食品に対するニーズも根強いです。

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