ビタミンKを配合した健康食品やサプリメントを見かけますが、どのような栄養素なのでしょうか。日頃の食事で十分に摂取できているのかと不安に感じている方もいるでしょう。ビタミンKの基礎知識について解説します。
ビタミンKとは?
ビタミンKは、ビタミンA・D・Eと同様に、油に溶ける脂溶性ビタミンです。身体の機能を正常に保つ重要な栄養素の一つです。
ビタミンKは、1929年にデンマークのへリンク・ダムがヒヨコを用いてステロール代謝の研究を行っていたときに、偶然発見されたと言われています。
ビタミンKにはいくつもの種類がある
ビタミンKにはいくつもの種類があり、天然のものはビタミンK1とビタミンK2です。加工食品やサプリメントに使用できるのはビタミンK1とK2で、天然に存在しないビタミンK3は大量に摂取すると毒性が生じるため、使用が認められていません。
ビタミンK1は「フィロキノン」と呼ばれ、緑黄色野菜や海藻類などの食材、また大豆油やオリーブ油などの植物油に含まれています。
ビタミンK2は「メナキノン」と呼ばれ、納豆やチーズといった発酵食品などに多く、体内の腸内細菌によっても合成されます。
ビタミンK2には11種類の同族体(類似の化合物)があり、代表的なものに、動物性食品に多く含まれるメナキノン-4、納豆菌によってつくり出されるメナキノン-7があります。
高齢になるとしっかり補給する必要も?

ビタミンKは1日にどのくらい摂取すればよいのでしょうか。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、男女ともに18歳以上の目安量を1日150㎍(マイクログラム)と設定しています。
納豆で補給する場合、1パック(40g)で240㎍のビタミンKを含むため、十分な量を確保できます。一般的に偏った食事でない限り、通常の食生活でビタミンKが欠乏する心配はありません。また、通常の食事によるビタミンKの過剰症は報告されていません。
ただし、高齢者では脂質の摂取量が低下し、また腸管でのビタミンKの吸収性が低下するなど、より多くの摂取が必要との報告もあります(現時点では科学的な根拠が十分でないため、食事摂取基準には反映されていません)。
ビタミンKを豊富に含む食品

ビタミンKを豊富に含む食品は、主に緑黄色野菜や鶏肉、発酵食品などです。
野菜のビタミンK含有量を見ると、もっとも多いのが青汁の原料に使用されるケールで、100gあたり1,500μgを含有します。次いで、春菊・ダイコン葉・ニラ・ホウレンソウ・小松菜が続きます。ブロッコリー・チンゲンサイ・キャベツ・モロヘイヤなどにも含まれています。
また、納豆は100gあたりに600㎍のビタミンKを含みます。
動物性食品では、鶏のモモ肉・ムネ肉・皮などに豊富に含まれています。
サプリメントに使用するビタミンK
サプリメントに配合されるビタミンKは、主にビタミンK2のメナキノン-4(動物性食品に多い)、メナキノン-7(納豆菌によって産生)が主流となっています。
そのうち、納豆由来のメナキノン-7は栄養価が高いことから、注目を集めています。また、体内への吸収効率が良い点も、サプリメントに使用される理由の一つです。
補給には栄養機能食品がオススメ
健康食品やサプリメントからビタミンKを補給する場合は、栄養機能食品がオススメ。商品パッケージの正面に「栄養機能食品(ビタミンK)」と表示されていますので、選びやすいです。
栄養機能食品の場合、45~150㎍の範囲でビタミンKが配合されています。国の制度で「ビタミンKは、正常な血液凝固能を維持する栄養素です」の表示が認められています。
一般的なサプリメントの場合、必要以上に配合しているケースも珍しくありませんが、栄養機能食品ならばビタミンKの配合量が適切なため、安心して利用できます。
医薬品との相互作用に注意
ビタミンKを配合した健康食品やサプリメント、納豆などを摂取する場合には、医薬品との相互作用に注意する必要があります。
相互作用とは、特定の成分を摂取することで、医薬品の効果を強めたり、反対に弱めたりすることをいいます。
ビタミンKについては、血液の凝固を防ぐ医薬品の「ワルファリン」との相互作用が報告されています。ワルファリンを服用中の方は、ビタミンKの健康食品・サプリメントや納豆の摂取を控えることが必要です。
バランスの良い食生活を!

ビタミンKは通常の食事を摂っていれば、欠乏する心配はありません。緑黄色野菜や納豆、鶏肉などをメニューに盛り込めば十分に摂取できるでしょう。もし、食事にプラスして補給したい場合は栄養機能食品を選択しましょう。
ほかのビタミン類と同様に、ビタミンKも欠乏すると健康被害が生じますが、かといって過剰に摂るのは禁物です。今回紹介したビタミンKを豊富に含む食材を参考に、バランスの良い食生活を心がけてくださいね。