緑茶にはカテキンやテアニンなど、健康食品で注目されている成分が豊富に含まれています。「玉露」「煎茶」など緑茶の種類によって異なるうま味や風味も、各種成分の含有量で決まります。緑茶に含まれる成分と、お茶の淹れ方による味の違いについて解説します。
茶カテキンとは?
緑茶の代表的な成分に「カテキン」があります。カテキンはポリフェノールであるフラボノイドの1種。緑茶は渋味が特徴ですが、その主成分となっているのがカテキンです。
緑茶に含まれる成分の1割以上をカテキンが占めます。紅茶やウーロン茶に比べて多くのカテキンが含まれています。これは、カテキンは酸化しやすい性質なのですが、紅茶やウーロン茶が酸化酵素の作用を受けるのに対し、緑茶は製造工程で酸化酵素の作用が抑制され、酸化が起こりにくいためです。
カテキンは一番茶にもっとも多く含まれ、二番茶、三番茶になるにつれて減少していきます。また、若い葉には多く含まれますが、成熟するとカテキンの含有量は減少する傾向にあります。
カテキンには主に4種類がある
緑茶のカテキンは主に次の4種類があります。
- エピカテキン
- エピガロカテキン
- エピカテキンガレート
- エピガロカテキンガレート
このうち、エピガロカテキンガレートが全カテキンの約6割を占めています。
緑茶の健康への効果は、カテキンの作用によるところが大きいと言えます。近年では食品業界や政府系機関の研究によって、カテキンの生理活性作用が解明されてきました。緑茶の有効性は世界的に知られるようになり、緑茶の輸出にも一役買っています。
日本国内では、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品として、緑茶の効果をうたった商品も多数登場しています。
アミノ酸の1種であるテアニンに注目
「テアニン」も緑茶の代表的な成分。テアニンはアミノ酸の1種で、緑茶独特のうま味や甘味の元となります。緑茶には、アスパラギン酸やアルギニンなどの20種類ほどのアミノ酸が含まれ、乾燥重量の2~5%程度を占めています。緑茶に含まれるアミノ酸の5割以上がテアニンです。
テアニンは根の部分で合成され、葉に蓄えられます。テアニンは日光を浴びるとカテキンに変化することから、栽培時に遮光するとテアニンの量が増え、うま味が豊かな茶葉となります。テアニンは、玉露や抹茶などの高級品に多く含まれています。言い換えると、番茶にテアニンを添加すると、玉露に近いうま味を実現できます。テアニンについても、近年の研究によって健康への効果が解明されてきました。カテキンとともに、健康食品やサプリメントの成分として注目されています。
ビタミンCやカリウムなども豊富
緑茶の成分の代表格はカテキンとテアニンですが、ビタミン類やミネラル類が豊富なことも特長です。
ビタミン類で特に多く含むのがビタミンC。茶葉100gあたりのビタミンCの含有量は、玉露が110mg、抹茶が60mg、煎茶が260mgです。ビタミンB1、B2、パントテン酸、ビオチン、ナイアシン、葉酸といったビタミンB群も豊富。このほか、βカロテンやビタミンEも含んでいます。
ミネラル類ではカリウムが多く、玉露に100gあたり2,800mg、抹茶に2,700mg、煎茶に2,200mg含まれています。カルシウム、マグネシウム、リンなども豊富です。このほか、カフェイン、サポニン、クロロフィルなども含有しています。
うま味を引き立てるなら「水出し緑茶」がオススメ
緑茶の楽しみ方にはさまざまな方法がありますが、基本的な知識を押さえておきましょう。政府系機関の農研機構によると、冷たいお茶にも2種類あり、沸騰したお湯で淹れたお茶を冷やしたもの(冷茶)と、冷たい水で時間をかけて淹れたお茶(水出し緑茶)とでは、味が全く違ってくると説明しています。
前述したとおり、緑茶にはエピガロカテキンとエピガロカテキンガレートなどが含まれていて、エピガロカテキンガレートはエピガロカテキンよりも、強い苦味と渋味があります。冷水で1時間ほど茶葉を浸すと、テアニンなどのアミノ酸や、緩やかな苦味のエピガロカテキンは熱湯で淹れた場合と同じ程度に抽出されますが、苦味・渋味の元となるエピガロカテキンガレートはあまり抽出されません。つまり、「水出し緑茶」は、うま味成分の量はお湯で淹れた場合と大きく変わりませんが、苦味や渋味が弱くなり、うま味が一層引き立てられるわけです。
一方、しっかりとした苦味・渋味を味わいたい方は、沸騰したお湯で淹れて楽しんでくださいね。また、緑茶にはカフェインが含まれています。カフェインをあまり摂取したくない場合は、「水出し緑茶」がオススメ。というのも、茶葉に含まれるカフェインは熱湯に溶けやすく、冷水には溶け出しにくいという性質があるためです。
知らず知らずのうちに健康に役立つ成分を摂取
私たち日本人は昔から、食事のシーンをはじめ、仕事や家事の息抜きに緑茶を飲んできました。知らず知らずのうちに、カテキンやテアニンといった成分をしっかりと摂取してきたわけですね。
緑茶の価値を見直して、積極的に活用してみてはいかがでしょうか。緑茶成分を濃縮した健康食品やサプリメントも登場していますので、そうした製品の活用もオススメです。
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