知らないと損! 通販と思って注文したものの…電話勧誘販売に該当?

新聞広告やインターネット広告を見て電話で商品を注文した際に、ほかの商品を勧められたことはありませんか?これまで、ごく普通に行われてきたビジネス手法ですが、2023年6月1日以降は「電話勧誘販売」に該当します。新たな規制を知れば、契約トラブルに巻き込まれても適切な対応が可能です。

「電話をかけさせる方法」に新聞広告やテレビ番組、ウェブページなど追加

電話勧誘販売は特定商取引法の規制を受ける取引形態の1つ。(1)販売会社が消費者宅へ電話をかけて、商品・サービスを販売すること、(2)販売会社が「政令で定める(電話をかけさせる)方法」によって電話をかけさせて、商品を販売すること――を指します。

改正前の「電話をかけさせる方法」は、電話・郵便・信書便・電報・ファックスなどに限定されていました。しかし、消費者庁は政令を改正し、新たに新聞・雑誌の広告、テレビ・ラジオ放送、ウェブページなどを追加。2023年6月1日に施行されました。

「拡大鏡」を電話で注文、サプリメントを定期購入するはめに

なぜ、消費者庁は「電話をかけさせる方法」を拡大したのでしょうか?その背景には、テレビショッピング番組を利用した悪質商法があります。

(独)国民生活センターが2022年11月30日に発表した消費者トラブルの事例を紹介します。

「約3カ月前に義父が、『拡大鏡』が今なら通常価格の半額で販売されているという新聞折り込み広告を見て、義母が注文するために販売業者に電話した。その際、販売業者から『目に良いサプリメントがあるのでサンプルを送る』と言われた。後日、拡大鏡とサプリメント1袋が届いた。一緒に届いた明細書兼請求書では、拡大鏡が『プレゼント』、サプリメントが『約3,000円』と記載されていておかしいと思った。その約1カ月後、販売業者から以前と同じサプリメントが届き、さすがにおかしいと思い、販売業者に電話で連絡したが、混みあってつながらなかった。さらに1カ月後、また同じサプリメントが届いた。明細書兼請求書を改めて確認すると、『1年定期』と記載がある。サプリメントの『定期購入』を注文した覚えはない」(相談者:50代女性)。

販売会社に「書面交付」「再勧誘の禁止」など義務づけ

この事例のような消費者トラブルが多発していることを受けて、消費者庁は特定商取引法の政令を改正し、電話勧誘販売の規制を強化しました。

これまで通信販売だった手法が、改正によって電話勧誘販売となるわけですが、具体的に何が変わるのでしょうか?

あなたがマルチビタミンサプリメントのインターネット広告を見て、電話で注文した際に、販売会社から「マルチミネラルサプリメントも一緒にどうですか?」と勧められ、購入した場合を例に挙げて見ていきましょう。

このケースは、インターネット通販ではなく、電話勧誘販売とみなされます。

このため、販売会社はあなた(購入者)に対して、「申し込み書面」と「契約書面」を交付しなければなりません。原則、紙の書面が送付されますが、2023年6月1日からは特商法の改正によって、消費者の事前承諾を条件に、電子メールによる送付も可能となりました。

通常、「申し込み書面」は申し込み後にすぐに交付され、「契約書面」は契約を結んだ日から3~4日以内に交付されます。

また、特定商取引法は電話勧誘販売について、消費者が購入を拒否したにもかかわらず、引き続き購入を勧めることを禁止しています(再勧誘の禁止)。ほかにも、電話勧誘販売についてはさまざまな規制を設けています。

これらの義務に違反した販売会社は法違反に問われ、業務停止命令などの行政処分を受けます。

購入者はクーリング・オフが可能に

一方、購入者のあなたは、インターネット通販では認められていない「クーリング・オフ」を行使できます。クーリング・オフは、「契約書面」を受け取った日から8日以内であれば、無条件で契約を解除できるというルールです。

インターネット通販の場合、消費者は販売サイトにある説明を自分のペースで落ち着いて読むことができます。しかし、電話勧誘販販売の場合、突然電話がかかってくる、または電話注文時に突然、ほかの商品を案内されるという不意打ち性があります。

このため、契約後に冷静になって、本当に購入する必要があるかどうかを判断する機会が与えられるわけです。「思っていたような商品と違う」「どうしても必要なものではない」と感じたら、契約書面を受けった日から8日以内ならば、キャンセルが可能です。

トラブルに遭っても冷静に対応を

今後、あなたがインターネット通販と思って電話で注文してトラブルに遭ったとき、今回の改正内容を思い出してください。

電話勧誘販売に該当する場合は、販売会社から「申し込み書面」「契約書面」が送付されたかどうか、その内容も併せて確認しましょう。クーリング・オフも行使できますので、「どうしても必要なものではない」と感じたら、契約を取り消すことができます。

トラブルに遭わないための最善策は、信頼できる販売サイトを利用すること。あなたのお気に入りの販売サイトで通販を楽しんでくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。