最近よく耳にする「SDGs」「サステナブル」という言葉。言葉を知っていても、意味までは理解していない方も多いかと思います。実は、私もその一人です。まだまだ、SDGsについての知識はないのですが、娘が学校で「SDGs」について学ぶ機会も増えある日の夕食時に、ふと「小さい頃に梅干しづくりしたよね」と懐かしい思い出から 、SDGsが身近なものだったことを知るようになります。
SDGsって何?難しく考えなくて大丈夫!

「SDGsとは…」 。企業のHPでも紹介ページを見かけるようになり、言葉を見かけるものの「なんだか、難しそう」と思っている方もいるかと思います。SDGsは、簡単に言うと「これからの未来を住みやすくするための目標とそのための方法」を提示したものです。SDGsは、17の目標と目標を具体的に達成するための169のターゲットを掲げて言います。
実は、私たちの生活の中の何気ないことが、SDGsにつながっている場合が多いです。私と娘は、地域で開催された「梅干しづくり」の体験からSDGsについて学びました。梅干しづくりとSDGsは無関係に思えますが、考え方や視点を変えるきっかけが大切なのだと感じていただけたらと思います。
梅干しづくりとSDGsの関係とは?

今回の梅干しづくりの体験から私たち親子が学んだSDGsは、下記の目標とターゲットです。
■SDGs11「住み続けられるまちづくりを」
11.3:2030年までに、包摂的かつ持続可能な都市化を促進し、全ての国々の参加型、包摂的かつ持続可能な人間居住計画・管理の能力を強化する。
11.4:世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する。
■SDGs12「つくる責任 つかう責任」
12.2:2030年までに天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用を達成する。
SDGs11は地域の人々との関わりを強化すること
人は、一人では生きていけません。一人で生活しているように見えても、地域の人々との関わりから生活が成り立っていることもあります。「住み続けられる街づくり」には、地域のコミュニティーに積極的に参加することも大切です。かつては、さまざまな行事を通してご近所付き合いがあった日本ですが、近年は隣の住人の顔も知らないという方が多くなりました。また、季節ごとに行われている手仕事も、ご近所と協力する文化がありました。
梅干しづくりをしながら、隣や近くの席になった方といろいろなお話をして感じたのが「手仕事をしながらだと緊張せずに話せる」ということです。年配の講師の方も気さくで、お子さんに「ママと一緒に梅をゴシゴシしようね」と声をかけてくださり、穏やかな空気感があったからかもしれません。
シングルマザーだと日中は仕事でいないことも多く、夕方も慌ただしい時間が続くので、近所との関わりも少なくなっていた私。この体験をきっかけに、近所の方と会った時には積極的に挨拶をするようにしました。すると、次第に私が気づいていない時には近所の方から挨拶してくださるようになったのです。今では、挨拶だけではなく少し話をするまでになっています。
SDGs12「持続可能な生産・消費」とは
梅干しづくりの体験をし、家で梅が少しずつ変化する過程も手づくりするからこそ体験できることです。梅干しづくりに関わったことで、気になったのが「梅の栽培」についてでした。梅の木に実がなるまでには、品種によりますが3~4年の歳月が必要です。実を付けるための受粉は、ミツバチが行います。自然界において、梅に限らず実を付けるには蜂などの虫が蜜を吸うために花に集まることが重要になります。
農業研修の交流会で、たまたま養蜂家の研修生の方と話す機会がありました。「ハウス内の受粉をするために使うミツバチの大半は、農薬によって死んでしまう」という話を聞いてショックを受けた覚えがあります。養蜂家として、蜂たちの扱いを知ってもらうために農家研修に参加している…ということでした。
梅干しづくりの思い出を娘と話した時に、「梅しごと」に欠かせない梅を育てるのにも、その梅の実を作るために必要なミツバチも守れる農業の在り方を考えたことを思い出しました。「梅しごと」とは、梅干しや梅酒などをつくることを指し、梅の実ができる梅雨の時期にしかできないことです。
梅の実は、地域によって同じ分量の塩で漬けても梅干しになった時の味が異なるそうです。梅干しは、塩と色付けのシソのみを使って作られるシンプルな保存食だからこそ梅の味が違います。梅の木が根づく土の栄養によって、梅の実の個性が生まれるのだと思います。
梅の生産地である和歌山県の三重県南部・紀州と呼ばれる地域では、梅の収穫も独特です。収穫時期の6月中旬~7月中旬になると熟して自然に落下する梅を傷つけないように木下にネットを敷き収穫する方法は、「拾い梅」「梅拾い」と呼ばれる収穫方法です。
梅の栽培から梅干しづくりまでの過程で、地産地消と旬を守り生産することは環境への負担も軽減していることを知りました。まさに、梅干しができる過程そのものがSDGs12「持続可能な生産・消費」です。
季節を楽しむ「梅干しづくり」

日本には梅しごと以外にも味噌づくりなど、季節に合わせて保存食を作る習慣があります。そのほとんどが保存食です。収穫した旬の野菜などを長期保存するのはもちろん、季節や自然を感じることができる日本文化の一つだといえます。
梅が実を付けるまで…自然や天候の大切さを知る
梅は、実をつけるまでに3~4年の月日がかかります。梅は収穫するまでにも、剪定や土壌づくりや病害虫の防除などやることが多いです。甘い香りを放つ梅は、害虫やカラスの標的になりやすく栽培には労力がかかります。自然の恵みを受けながらも、天候との戦いを経てできる梅の実。梅干しづくりの際に梅ができるまでの過程を資料で読み、この事実を知った時に掌に乗った梅の実が愛おしくなったことを覚えています。
梅干しづくりレシピ
梅干しづくりは、実にシンプルで簡単です。材料さえそろえれば、すぐにでもできます。私たち親子が教わった梅干しづくりは、青梅を使ってカリカリと歯ごたえの良い梅干しになりました。また、天日干しなどの工程はなく 、瓶を使わないためハードルも低めです。
(材料)
- 梅(青梅)1㎏
- 塩 ※梅を漬ける時の量は、梅の重さに対して10%です。
※それ以外に梅をもんで梅酢を作る時に、塩・シソ用塩がそれぞれ適量必要です。
- シソ 100g(梅の10%の量)
- ビニール袋(漬物用)
- つまようじ
- ペーパータオルまたは手ぬぐい(薄手で軟らかい生地の布)
- ボール(シソを塩もみするときに使う)
(レシピ)
- 梅を水で優しく洗う。土などの汚れを取る。この時に傷がある梅は除いておく。
- 水気をペーパータオルで拭き取る。※優しく
- つまようじで梅のヘタを取る。
- ビニール袋に梅と塩を入れ、もむ。梅から水分が出て来るのが目安。
- シソの汚れを水で洗い流す。砂や虫などが付いていることがある。
- シソは葉と茎に分け、葉を塩でもむ。
- シソをもみ込むと濁った水分が出て来るので、水ですすぎ、きれいなピンクの液になるまで繰り返す。
- 7を4に入れる。1日に1度袋をゆすって上下を返し、梅酢に梅が浸かるようにする。
梅雨の時期は、ジメジメしてカビが付きやすいので冷蔵庫の野菜室に保存していました。1㎏で梅は40個くらいの量だったので、そこまで冷蔵庫を占領している感じはありませんでした。梅に使ったシソは、余ってしまったので…困っていると「シソジュース」の作り方のレシピをもらえたので、家で作ってみました。
シソで作るシソジュースが絶品
シソで作ったジュースがさっぱりしていて、絶品なんです。砂糖とクエン酸がそろえばすぐに作れます。クエン酸は、ドラッグストアや通販で手に入れることができます。100円ショップで売られているものは食用ではなく、掃除に使うものばかりなので注意が必要です。
(材料)
- 水 1.5ℓ
- シソ 300g
- 砂糖 500g
- クエン酸 25g ※クエン酸がない場合は、レモン汁30~50mlでも代用可能
(レシピ)
- シソに付いた虫や砂が取れるまで水洗いを繰り返す。
- 葉だけ取り除く。
- 水を鍋にかけ、沸騰する前にシソを入れる。シソが青くなるまで茹でる。
- シソを取り除き、シソを軽く絞って煮汁は使用する
- 砂糖を加え溶けるまでかき混ぜる。
- 火を止め粗熱が取れるのを待ち、クエン酸(レモン汁)を加える。
出来上がったシソジュース(素)は冷蔵庫で保存し、1:2の割合で炭酸や水で割って飲むとおいしいです。
何年経っても忘れない思い出

娘が小学1年生の時に参加した梅干しづくりの体験。娘は自ら漬けた梅干しに愛着を持って、梅干しを毎食食べたので梅干しはあっという間になくなってしまいました。梅干しは塩分を多く含んでいるので、一気に食べることはおすすめできません。夏の暑い時期に水分と一緒に梅干しを食べるなど工夫が必要かもしれません。
娘にとって梅干しづくりの体験は、食べ物や自然、野菜に興味を持ってくれるきっかけになったと思います。既に何年も経ちますが、梅の時期にスーパーで青梅を見かけると「梅干しづくり」の思い出話を娘とします。体験を通して、親子の思い出も一つ増えました。SDGsは、難しく考えなくても私たちが未来に関心を持っていれば知らず知らず関わっているものだと思います。日常の些細なこと。例えば、ゴミの分別や食べ残しを減らすこともSDGsの目標につながっているのです。