脅威の保水力を持つ「ヒアルロン酸」

コラーゲンと並び、女性に人気の成分「ヒアルロン酸」。サプリメントや化粧品の原材料と
して使用され、多くの商品が販売されています。健康・美容に役立つことから、女性を中心
に認知度も高まっています。その一方で、「成分名は知っているけど、詳しくは…」という
方も多いようです。ヒアルロン酸の基礎知識について解説します。

ヒアルロン酸って何?

ヒアルロン酸は今では誰もが知っている成分の一つですが、発見されたのはそれほど昔のこ
とではありません。1934 に米国コロンビア大学の研究グループによって、牛の目の硝子体
から分離され、初めて確認されました。その後の研究により、医療分野をはじめ、健康食品
や化粧品にも利用されるようになり、一気に広がっていきました。
ヒアルロン酸とは、どのような成分なのでしょうか。
一言でいうと、ムコ多糖の 1 種です。ムコ多糖は、動物のネバネバした分泌液から得られる
多糖の総称です。ムコ多糖にはいくつかの種類があり、ヒアルロン酸はその代表選手。医薬
品に使用されるコンドロイチン硫酸もムコ多糖の一つです。


抜群の保水力が特長

ヒアルロン酸の特長は、保水力の高さにあります。ヒアルロン酸 1g で最大 6 リットルの水
分を保持できることがわかっています。
ヒアルロン酸は体のあらゆる組織に存在し、特に皮膚、関節液、目の硝子体などに多く分布
しています。
それぞれの組織で重要な役割を果たしているのですが、加齢に伴って体内のヒアルロン酸は
徐々に減っていきます。減少傾向は 40~50 代から顕著となります。


ヒアルロン酸を多く含む食べ物

ヒアルロン酸を豊富に含む食べ物には、鶏のトサカ、魚類の目、サメの皮、クジラの軟骨な
どがあります。
これらを食べれば、ヒアルロン酸を補給できるかと言えば、そう単純な話でもありません。
ヒアルロン酸は分子のサイズが大きく、食品に含まれる状態のままでは体内に吸収されにく
いからです。
それ以前の問題として、日常の食生活で魚類の目やサメの皮などを頻繁に食べることは現実
的ではありませんよね。「そんなもの食べたくない」「どこで買えるの?」と思う方も多い
ことでしょう。
そこで健康食品業界では、体内で吸収されやすいように、ヒアルロン酸を低分子化したもの
をサプリメントの原材料に用いる傾向があります。
一方、医療分野では、ヒアルロン酸の注射製剤を使用しています。一部の症状については科
学的に有効性が認められていることから、医療保険の適用を受けることができます。


健康食品のヒアルロン酸はどうやって生産するの?

ヒアルロン酸の生産方法には、鶏のトサカから抽出する手法と、微生物による発酵法があり
ます。
もともとは鶏のトサカから抽出する手法が中心でした。原材料を細かく砕いて、溶媒でたん
ぱく質などを取り除き、化学処理を経てヒアルロン酸を精製するという方法です。
しかし、トサカにはヒアルロン酸がわずかしか含まれておらず、工業的に大量生産すること
が困難という問題もあります。そこで、乳酸菌などの微生物を用いた培養による製造方法が
広がっていきました。


ヒアルロン酸って安全なの?

健康食品に使用されるヒアルロン酸は、過剰摂取しない限り、安全性は高いと考えられてい
ます。ただし、妊婦や授乳婦、小児については安全性に関する十分なデータがないため、ヒ
アルロン酸のサプリメントなどの使用は避けるようにしましょう。
健康食品に用いるヒアルロン酸のメーカー各社では、毒性試験や変異原性試験といった各種
の安全性試験を実施し、安全性を科学的に確認しています。
これに加えて、国内でも過去 20 年以上にわたる喫食経験があり、これまでに重篤な健康被
害は報告されていないと言われています。

機能性表示食品で 80 件超の届出実績

ヒアルロン酸の機能性についてはどうでしょうか。
ヒアルロン酸を配合した健康食品は、機能性表示食品として既に 80 件以上が消費者庁に届
け出されています。消費者庁のホームページで公表されるためには、「二重盲検ランダム化
比較試験」という信頼性の高い試験を行って、良好な結果を得られていることが必須となり
ます。
つまり、ヒアルロン酸の機能性については、多くの企業でヒト試験(人を被験者とした試
験)によって確認しているわけです。
と言っても、ヒアルロン酸に関する本格的な研究は始まったばかりですので、今後の研究の
進展によって、機能性がさらに明らかにされるものと予想されます。


健康食品で一定の地位を築く

健康食品に用いる成分のなかには、機能性や安全性が不確かなものもあります。これに対し、
ヒアルロン酸については、多くの企業が安全性試験と有効性試験によって確認しています。
その結果、安心して使用できる成分として、ヒアルロン酸は広く認知されるようになってき
ました。健康・美容ジャンルの食品市場でコラーゲンと並び、ヒアルロン酸も一定の地位を
築きつつあります。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。