食品の期限表示をもっと知って賢い消費者になる!

食品の「消費期限」や「賞味期限」については、わかっているようで、正確に理解できていない方も少なくないようです。近年では、食品ロス削減の観点からも、期限表示に対する理解が重要となっています。期限表示について今一度、しっかりと理解しましょう。

1995年に「製造年月日」から「期限表示」へ変更

「期限表示」の話を始める前に、かつては「期限表示」ではなくて、加工食品に「製造年月日」表示が義務づけられていたことをご存じでしょうか?その当時は「製造年月日」に併せて、任意で「賞味期限」を表示するメーカーも多かったですね。

「製造年月日」表示から「期限表示」に変更されたのは1995年のこと。この背景には、製造技術の発展により、日持ちの良い食品が増え、「製造年月日」表示だけでは、いつまで食べられるのかがわかりにくくなったことがあります。

これに加え、輸入食品の場合、国産と比べて輸送期間がかかるため、どうしても「製造年月日」が古くなり、消費者の購買意欲が削がれるという批判が、海外から寄せられたこともあります。また、「製造年月日」表示が返品や廃棄の原因になっているという批判もありました。

「消費期限」を過ぎると食べないこと!

加工食品の「期限表示」には、「消費期限」と「賞味期限」の2つがあります。消費者のなかには、2つの意味を正しく理解できていない方もいるようです。しかし、健康被害を防止し、日常の食生活で無駄な廃棄を出さないためにも、その違いを押さえておきましょう。

まず「消費期限」には、期限を過ぎると食べない方がよいという意味があります。「消費期限」は年月日で表示することがルールです。

対象となる食品は、比較的日持ちの短いもので、代表的なものとして、弁当、サンドイッチ、調理パン、総菜、生めんなどがあります。

「賞味期限」はおいしく食べられる期限

一方、「賞味期限」には、おいしく食べることができる期限という意味があります。このため、期限を少し過ぎたからと言って、すぐに食べられなくなるわけではありません。

「賞味期限」も原則として年月日で表示しなければなりませんが、製造日から「賞味期限」までの期間が3カ月を超える食品については、年月のみで表示することが認められています。

「賞味期限」の対象となる食品は劣化が比較的遅く、缶詰、カップめん、スナック菓子、乳製品などをはじめ、さまざまなものがあり、健康食品も含まれます。

ただし、「消費期限」「賞味期限」ともに、容器包装を開封する前の状態で保存した場合の期限を表しています。いったん開封した場合は、期限にかかわらず早めに食べるようにしてくださいね。

期限は誰がどうやって決めるの?

「消費期限」や「賞味期限」は、だれが、どのようにして決めているのでしょうか?

それぞれの期限を決めているのは、製造・加工業者または販売業者です。輸入食品では輸入業者が責任を負います。期限を設定するには、それぞれの食品の特性、原材料の衛生状態、製造時の衛生管理などに関する情報が必要となるからです。

期限の設定は、客観的なデータに基づいて行われます。微生物試験、理化学試験、官能試験などをはじめ、各事業者がこれまでに蓄積した知見や経験も活用して、科学的に期限を設定します。

微生物試験とは、製造日からの品質劣化を微生物学的に評価するもので、一般的な指標として一般生菌数、大腸菌群数、低温細菌残存の有無などが挙げられます。

理化学試験とは、製造日からの品質劣化を理化学的分析法によって評価するもの。一般的な指標に、粘度、濁度、比重、過酸化物価、酸化、pH、酸度、栄養成分などがあります。また、官能試験では、食品の性質を人の視覚・味覚・嗅覚といった感覚を通して、一定の条件下で評価します。

期限表示は開封前の状態で保管した場合の期限

あなたも冷蔵庫をチェックして、「期限が過ぎているけど、食べていいのかな?」と迷うことがありませんか?

まず、「消費期限」については、期限を過ぎた食品は品質の劣化によって安全性を欠く可能性が高く、食べないように注意しましょう。

一方、「賞味期限」については、期限を過ぎた場合でも品質が十分に維持されていることがあるため、外観やにおいなど五感を働かせて、食べられそうかどうかを判断します。

前述したとおり、表示された期限は、開封前の状態で保管した場合を前提としていますので、その点も注意が必要です。

食品ロス削減の観点からも「賞味期限」への理解が重要

食品ロス削減が叫ばれるなか、期限表示に対する理解が重視されています。「賞味期限」の場合は、期限を過ぎても食べることが可能なケースもありますので、その見極めが大切となります。購入商品については、メーカーや販売会社のホームページ上で説明していることも多いので、ぜひ活用してくださいね。

期限表示の意味を十分に理解して、冷蔵庫の食品を整理する際に、「これは消費期限なので過ぎたものは廃棄しよう」、「こちらは賞味期限なので、においや見た目で判断しよう」など、冷静に判断できるクセをつけましょう。

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フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。