女性の悩みの1つに「鉄」不足があります。鉄が不足すると体調が悪化し、日常生活に支障が生じることも。必須ミネラルの1つである鉄は健康維持に欠かせない栄養素で、食事内容を工夫することによって十分に摂取できます。これに加えて「栄養機能食品」も活用し、鉄不足を解消しましょう。
鉄は必須ミネラルの1つ
100種類以上あるミネラル類のなかで、「必須ミネラル」と呼ばれる栄養素は16種類。必須ミネラルには、ナトリウム・マグネシウム・カルシウム・カリウム・鉄・亜鉛・銅・セレンなどがあります。
ナトリウムやマグネシウムなどは過剰摂取に注意が必要ですが、これに対して、鉄は不足しがちです。
鉄は血液中の赤血球に多く含まれ、酸素の運搬などで重要な役割を果たしています。血液の半分近くを占める血球のうち、そのほとんどが赤血球です。赤血球はタンパク質と鉄が結合したヘモグロビンを含み、ヘモグロビンは肺で酸素と結び付いて、全身の各組織に運ぶという役割を持ちます。
女性の2~3割が鉄不足の可能性
成人の場合、体の中に3~5gの鉄が存在し、その7割程度は赤血球のヘモグロビンや筋肉中のミオグロビンにあり、残りは肝臓などに貯蔵されます。
偏った食事によって鉄の摂取量が不足すると、赤血球に含まれるヘモグロビンが減ってしまいます。そうすると、酸素を全身に運ぶ働きが不十分となり、体調の悪化を招くことになります。そうした問題は、成人女性の2~3割で見られると推計されています。
ビタミンCやたんぱく質の同時摂取で効率的に吸収

日頃の食生活で、バランスの良い食事を心がけていれば、鉄の摂取量が不足することはありません。私たちの体内には1日あたりに1~2mgの鉄が吸収され、鉄を豊富に含む食品をしっかりと摂取している方にとっては心配する必要はありません。
また、ほかの栄養素もしっかりと摂取することで、鉄の吸収を助けてくれます。ビタミンCが豊富な柑橘類や緑黄色野菜などを一緒に食べたり、肉や魚といった動物性たんぱく質を一緒に食べたりすると、鉄の体内への吸収が効率的になると言われています。
このため、鉄不足が不安な方は、鉄を豊富に含む食品と、ビタミンCやたんぱく質を多く含む食品を同時に摂取することが対策の基本となります。
一方、ファストフードやインスタント食品の利用が多い方、過度なダイエットを行っている方は鉄が不足しがちとなり、注意が必要です。
「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の違い
鉄に限らず、必須ミネラルは食事からの摂取が基本です。鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」に大別されます。
「ヘム鉄」は、肉類(赤身肉)や魚類に多く含まれています。タンパク質と結びついた状態のため、体内での吸収が優れています。
「非ヘム鉄」は、野菜をはじめ、卵や牛乳にも多く含まれています。こちらは、たんぱく質と結合していない状態です。
ヘム鉄はレバーやマグロ・カツオなど、非ヘム鉄は小松菜・枝豆や納豆など

鉄を多く含む食品を見ていきましょう。ヘム鉄が豊富な食品として、肉類では豚・牛・鶏のレバーが知られています。魚介類では、マグロ・カツオ・マイワシをはじめ、赤貝やめざしなどがあります。
非ヘム鉄を豊富に含む食品には、納豆や豆乳、小松菜・枝豆・水菜・ホウレンソウをはじめ、枝豆・ソラマメなどがあります。
手っ取り早く鉄を摂取したい場合はレバーを選ぶ方が多いと思われますが、栄養バランスを考えると、魚介類や野菜も含む多種類の食品から摂取することを心がけましょう。
鉄の栄養機能食品とは?
バランスの取れた食事が重要性であると理解していても、仕事や家事で忙しく、毎回実現することは簡単ではありません。そうした方にとっては、栄養機能食品の利用も選択肢の1つです。
栄養機能食品制度は消費者庁が所管しています。国があらかじめ、栄養成分の配合量の範囲と、商品パッケージに表示できる栄養素の機能性を決めています。事業者はその要件に従って、任意で栄養機能食品として加工食品やサプリメントを販売できます。
鉄については、商品パッケージに「栄養機能食品(鉄)」「鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です」と表示されています。鉄の配合量は、1日摂取目安量あたりに「2.04~10mg」と定められています。
栄養機能食品を活用するメリットとして、サプリメント・飲料・デザート・菓子など多様な商品が販売されていること、過剰摂取の心配が不要なこと(1日摂取目安量を順守した場合)――を挙げることができます。
不足も過剰摂取も健康に悪影響
鉄に限らずミネラル類は、不足しても過剰に摂取しても健康に悪影響が出ます。
日頃の食生活では、不足している栄養素を意識した献立を工夫しつつ、多種類の食材を用意してバランスの良い食事を心がけましょう。忙しい日が続くときには、栄養機能食品も選択肢の1つとなりますので、上手に活用してみましょう。





