カキ肉エキスの健康食品を利用したいけれど、いろいろな商品があり、どれを選べばよいのかがわからない、という方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、カキ肉エキスの賢い選び方についてお話します。
まずは栄養成分に着目
カキ肉エキスの原料となるカキ(牡蠣)には、どのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
まず、ミネラル類がバランス良く含まれている点が特長です。カキ(養殖・生)の可食部100gあたりには、亜鉛14.0mgをはじめ、鉄2.1mg、カリウム190mg、カルシウム84mg、マグネシウム65mg、リン100mgなどが含まれています。
また、ロイシン・イソロイシン・アルギニン・バリン・アラニン・アスパラギン酸・グリシン・プロリンといった各種アミノ酸もバランス良く含んでいます。ビタミン類についてはビタミンB群が豊富です。
グリコーゲンがリッチな点も特長の1つ。グリコーゲンは、私たちの筋肉や肝臓などに蓄えらえている多数のブドウ糖(グルコース)で構成される多糖類です。
このように生のカキには、さまざまな栄養成分がバランス良く含まれています。このことから、カキは“海のミルク”と呼ばれています。
カキを原材料として精製されるカキ肉エキスは、その栄養成分のみを抽出したもの。このため、生のカキと同様に、各種のミネラル類やビタミン類、アミノ酸などを含んでいます。
カキ肉エキスをスーパーフードのイメージで利用する方も多い一方で、特に亜鉛の補給を目的として利用する方も多いと思われます。このほか、グリコーゲンの含有量に着目して利用する方もいるでしょう。
カキ肉エキスを利用する場合は、まず、どのような目的で使用したいのかを決めて、含有される各種の栄養成分の量を確認するなどして、商品を選択するようにしましょう。
食品添加物の使用状況も目安に
インターネット通販やドラッグストアでは、さまざまカキ肉エキスの商品が売られています。一見したところ、どれも同じように思えるのですが、よく見ると違いがあることに気づきます。
サプリメントなどの健康食品は毎日定められた量を摂取するため、できるだけ食品添加物を避けたい方にとっては、使用している食品添加物が少ないものを選ぶとよいでしょう。
カキ肉エキスのサプリメントに使用される食品添加物には、着色料や増粘剤をはじめ、結晶セルロース、二酸化ケイ素、ショ糖エステルなどがあります。
ただし、インターネット上には「無添加」とうたったカキ肉エキスも販売されていますが、注意が必要です。というのも、すべての添加物が不使用なのか、着色料のみが不使用なのかなどが不明なためです。このため、原材料表示をしっかりと確認することが大切となります。
国産原料ならばトレーサビリティが容易

カキ肉エキスは、原材料のカキの身から抽出して製造されます。カキの身をそのまま使用しない(カキ肉エキスに身は含まれない)ため、魚介類でしばしば問題となる重金属など、人の健康に悪影響を与える物質が含まれにくいことも特長と言えます。
また、原材料のカキの産地は国産や海外産がありますが、トレーサビリティを担保しやすいという観点から、国産のカキを使用した商品がオススメです。国産の場合、主に広島県産や岡山県産など瀬戸内で獲れたカキを使用しています。
「カキ肉エキス末(国内製造)」と表示されているものは、エキス末を製造した場所が国内(日本)という意味であり、必ずしも原材料のカキの産地が国内という意味ではありませんので、注意が必要です。
亜鉛の補給ならば栄養機能食品がオススメ
亜鉛の補給を主な目的として、カキ肉エキスを利用する場合には、「栄養機能食品(亜鉛)」と表示されている商品を選ぶようにしましょう。
栄養機能食品は、国が予め成分含有量の上限値・下限値を設けていることから、1日摂取目安量を守れば、過剰摂取となったり、不足したりする心配がありません。
また、亜鉛の具体的な機能が商品パッケージに表示されていますので、どのような効果が期待できるのかも理解しやすいです。
大げさな効果をうたう販売サイトは避けよう!

商品選びで注意してほしいのは、誇大な効果をうたった宣伝です。カニ肉エキスを含む健康食品は、必要な栄養成分を補給したり、私たちの健康を維持したりするために役立ちますが、疾病の予防・治療や美白といった医薬品のような効果は認められていません。
そうした大げさな効果をうたっている、または暗示している販売サイトは、法令順守の意識が低い販売会社が運営していることが多く、購入後にトラブルが発生しやすい傾向があります。このため、疾病予防などの誇大な広告を行う販売サイトからは購入しないことが大切です。
今回お話したように、使用目的、食品添加物、原料原産地、栄養機能食品、広告宣伝などを指標として、あなたの好みや事情に合わせて商品を選択するようにしましょう。