表示方法を知って買い物に役立てよう!
食物アレルギーの患者さんにとって、食品選びで頼りになるのが食物アレルギー表示制度。2024年3月29日に、同制度の表示推奨品目にマカダミアナッツが追加されました。健康被害を未然に防ぐためには、対象品目や表示方法を知ることが大切です。食物アレルギー表示制度について見ていきましょう。
食物アレルギーとは?

私たちの体にダニ・花粉などの異物が入ると、アレルギー反応を引き起こすことがあります。食品の摂取でもアレルギー反応が発症し、これを食物アレルギーと呼びます。
食物アレルギーの症状には、肌のかゆみ、じんましん、発赤といった皮膚に関する症状が多く見られます。このほか、目や口のかゆみ、くしゃみ、鼻水など粘膜に関する症状や、せきや呼吸がゼーゼーするといった呼吸器に関する症状もあります。
重篤な場合には、血圧が下がって意識がもうろうとしたり、意識障害に陥ったりすることもあります。これをアナフィラキシーショックと呼びます。
表示義務品目と表示推奨品目
日常の食事で食物アレルギーの発症を未然に防止するため、食物アレルギー表示制度が運用されています。
同制度では、加工食品の容器包装に、食物アレルギーの原因となる代表的な原材料名の記載を求めています。表示を義務づける「特定原材料」(表示義務品目)と、表示を推奨する「特定原材料に準ずるもの」(表示推奨品目)に分かれます。
現在(2024年4月時点)のところ、表示義務品目は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生の8品目。
表示推奨品目は、アーモンド・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナなどの20品目です。表示推奨品目の表示は義務ではなく、企業の任意によって行われます。
表示推奨品目にマカダミアナッツを追加、マツタケは削除
食物アレルギー表示制度を所管する消費者庁では、およそ3年に1度の頻度で、全国のアレルギーの専門医を対象に、食物アレルギーに関する全国実態調査を実施しています。調査結果を踏まえて、表示制度の対象品目を見直すためです。
各食品の症例数や重篤度について最新の状況を把握し、現在の表示義務品目と表示推奨品目を見直すことになります。
そうした手続きを経て、消費者庁は2024年3月29日、食物アレルギー表示制度の表示推奨品目にマカダミアナッツを追加し、マツタケを削除しました。これにより、マカダミアナッツは企業の任意で表示することになりました。
マカダミアナッツについては直近2回の調査で、「即時型症例数が上位20品目以内」または「ショック症例数が上位10品目で、重篤度から検討が必要」という要件に該当したことから、追加されました。
一方、これまで表示推奨品目だったマツタケについては、直近4回の調査で、「即時型症例数が上位20品目でない」「ショック症例数が極めて少ない」という2要件を同時に満たしたため、削除することになりました。
現在、表示義務が8品目、表示推奨が20品目となっていますが、消費者庁ではむやみに品目数を増やさない方針を示しています。増えすぎると、容器包装上の表示が読みにくくなり、見落としなどのリスクが出てくるためです。
繰り返し出てくるアレルゲンは表示を省略できる
食物アレルギー表示制度では、対象品目の表示方法も定めています。原則として、「しょうゆ(大豆・小麦を含む)」「マヨネーズ(大豆・卵・小麦を含む)」というように、それぞれの原材料のすぐ後にカッコでくくって「(〇〇を含む)」と表示します。ただし、表示義務品目の乳については「(乳成分を含む)」と表示します。
食品添加物については、添加物名のすぐ後に「(小麦由来)」など、「(〇〇由来)」と表示します。添加物の場合、乳は「乳成分由来」ではなく、「乳由来」と表示します。
繰り返し出てくるアレルゲンについては、省略することが可能です。複数の原材料を使用している食品では、例えば、「しょうゆ(大豆・小麦を含む)」「マヨネーズ(大豆・卵・小麦を含む)」と表示せずに、「しょうゆ(大豆・小麦を含む)」「マヨネーズ(卵を含む)」というように、いずれかの原材料で表示すれば、それ以外の原材料では表示を省略できます。
国は外食・中食向けの啓発にも注力

食物アレルギー表示は食品の容器包装上の規制となりますが、アレルギー患者さんが外食や中食を利用する場合に困らないように、消費者庁では外食・中食向けの啓発ツールを作成し、普及に乗り出しています。啓発ツールは、消費者向けと事業者向けにパンフレットなどを用意しています。
食品表示の中でも、食物アレルギー表示は期限表示などと並び、安全性を確保する上で、特に重要なものとされています。食物アレルギーによる健康被害を未然に防止するため、食物アレルギー表示制度について十分に理解し、日ごろの買い物に役立ててみましょう。






