購入した健康食品の製造工場はどこ? 製造所固有記号制度を知っておくと安心できる

「〇〇会社の△△工場で製造された食品で食中毒が発生しました」という食品の事故・事件が報道され、自宅にある商品と同じ銘柄とわかっても、パッケージに工場名が記載されていないことも少なくありません。その際に頼りになるのが「製造所固有記号」。いざという時のために、製造所固有記号の意味と検索方法を理解しておきましょう。

製造所固有記号とは?

加工食品の異物混入事故や食中毒事件が起こり、購入した商品と同じブランドであった場合、とても不安になりますよね。事故・事件の原因となった商品が、どこの工場で製造されたのかがわかれば、廃棄すべきかどうかの判断に役立ちます。

食品表示法に基づく食品表示基準では、「製造所の所在地、製造者の氏名または名称」の表示を義務づけています。

しかし、一定の要件を満たせば、「製造所の所在地、製造者の氏名または名称」の代わりに、あらかじめ消費者庁へ届け出た記号を表示することも可能です。これを「製造所固有記号制度」と呼びます。

「+」で始まるアルファベット

製造所固有記号は加工食品に使用され、サプリメントや健康食品でも見られます。パッケージにある商品名・原材料名・内容量・保存方法などの一括表示欄の外側に表示されています。

表記方法は「+〇」「+〇〇」(〇はアルファベット)というシンプルなもの。+で始まるアルファベットの文字があれば、それが製造所固有記号であると理解しましょう。

冷凍食品の農薬混入事件を機に現行制度を導入

加工食品のパッケージに製造所に関する表示が必要なのは、食中毒事件などが発生した場合に、保健所が迅速に対応できるようにするためです。

製造所固有記号は1959年に、厚生省(現・厚生労働省)によって導されました。現在の制度(消費者庁が所管)と違って、当時は製造所固有記号を用いて、消費者が製造工場を確認することはできませんでした。

現在の製造所固有記号制度は、2013年の冷凍食品への農薬混入事件をきっかけに、新たに導入されたものです。この事件は、工場の従業員がマラチオンという農薬を冷凍食品に混入させるというショッキングな内容で、社会に衝撃を与えました。

当然ながら、私たちは手元にある商品が、報道された工場で製造されたものかどうかを知りたいわけですが、その当時、製造所固有記号によって消費者は確認することが不可能でした。

そこで消費者庁は、複数の工場で製造されるケースに限定して製造所固有記号の使用を認めるという内容に改正するとともに、消費者庁のデータベース上で、誰でも製造所固有記号を用いて製造所の名称・所在地を閲覧できるようにしました。

これは、事件・事故が発生した場合に製造所の情報を知りたいという消費者ニーズと、パッケージを効率的に使用したいという企業のニーズを考慮した施策です。

新たな製造所固有記号制度は2016年4月に施行され、20年4月製造分から完全義務化となりました。

複数の工場で同一のパッケージを使用することが条件

製造所固有記号はすべての商品に認められているわけではありません。原則として、2カ所以上の工場で製造する場合のように、同一のパッケージを複数の工場で共有しているケースで認められます。

具体的には、次の2パターンがあります。

1つ目は、所在地が異なる複数の自社工場で製造された商品に、本社の名称と所在地を表示する場合。このケースでは、自社工場の所在地に代えて、製造所固有記号を表示できます。

2つ目は、複数の他社工場に製造を委託する場合で、販売会社が自社の名称と所在地を表示する場合。このケースでは、委託先の製造者の名称と工場の所在地に代えて、製造所固有記号を表示できます。

消費者庁ホームページで検索が可能

現行制度は、製造所固有記号を表示する場合、消費者からの製造所に関する問い合わせに対し、企業側が答えることを義務づけています。

このため、回答する担当者の連絡先、または製造所に関する情報が掲載されているウエブサイトのアドレスなどをパッケージに表示しなければなりません。これにより、購入者は電話による問い合わせや、ウエブサイトで情報を確認できます。

さらに、パッケージに表示されている製造所固有記号を用いて、インターネット上で確認することも可能です。この場合は、まず消費者庁のホームページ上にある「製造所固有記号検索」のページ(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cksc01/)を開きます。

検索方法は、パッケージにある「製造所固有記号」「製造者又は販売者」「住所」を記入し、検索ボタンを押すだけ。そうすると、「製造者の名称」と「製造所の所在地」が出てきます。

検索では、製造所固有記号の冒頭にある「+」は入力しないようにしてください。

万一の場合に備えて検索方法を確認

食品の事故・事件が発生した場合、正確な情報を得て、自宅にある商品が該当するかどうかを検討し、製造所については消費者庁のホームページで確認するようにしましょう。

万一に備えて、一度、手元にある商品の製造所固有記号を使用して、検索方法を確認しておくとよいでしょう。