フェアトレード商品を買って、持続可能な農業を支援しよう

耳にすることが増えてきた「フェアトレード」。しかし、イメージはできても具体的にどういう意味なのかが分からないという人も多いのでは。

フェアトレードとは、生産者である途上国の人々の暮らしを支え、地球環境を守り、私たちに安全な食をもたらす運動です。

フェアトレードとは何か

コーヒーが1杯100円、おかわり無料。Tシャツ1枚500円、板チョコレートが50円……。

賞味期限が近いわけでも、ワケあり商品というわけでもないのに、信じられないくらい安い値段でこれらの商品が売られているのを見かけます。

安さに驚き喜ぶ反面、落ち着いて考えてみると「いったいなぜこんなに安く売っているのだろう、これで利益が出るのだろうか」と疑問が湧いてきます。

コーヒー豆やTシャツの原料となる綿、チョコレート作りに欠かせないカカオは、発展途上国で栽培されています。そして、ほとんどの生産者は信じられないような低賃金で働き、大人と比べて安い賃金で雇える子どもも多く雇用されています。
また、日本と違って労働者の権利が守られていないため、急に解雇されてしまうことも珍しくありません。そのため、劣悪な環境、安い賃金でも抵抗や交渉もできずに我慢しているのです。

こういった問題を見直し、公正な取引をしようと始まった運動がフェアトレード(公正な貿易)です。発展途上国が作る原料や製品を正当な価格で継続的に購入することで、彼らの暮らしを保証し、生活を改善できるように支えています。

フェアトレードの条件

フェアトレードで仕入れた製品には、フェアトレードであることを示すマークやロゴが付いています。フェアトレード認証団体であるFairtrade International (FLO)、World Fair Trade Organization(WFTO)のほか、日本では複数の団体や個人による、独自のフェアトレード製品も珍しくありません。

FLOとWFTOは、フェアトレード団体が守るべき指針(基準)を公表し、定期的に順守されてるかをチェックしています。

例えばFLOは、「経済的基準」「社会的基準」「環境的基準」という3つの大きな原則を設け、そのなかにさらに細かい基準を作っています。
それぞれの基準の一例を紹介しましょう。

  • 経済的基準……最低価格を保証し長期的に取引する
  • 社会的基準……差別や子どもの労働、強制労働を禁止する
  • 環境的基準……農薬の使用を削減して適正な使用を促すとともに、有機栽培を奨励。遺伝子組み換え品の栽培・使用の禁止

WFTOの基準もほぼ同じす。WFTOではさらに環境に配慮して輸送にはできるだけ船便を使う旨が記されています。

搾取される農業で農薬が大量に使用されている現実

このコラムを読んでいる皆さんの多くが、「農薬の使用」や「有機栽培を奨励」「遺伝子組み換え品の禁止」に自然と注目したのではないでしょうか。

フェアトレードが行われていない発展途上国の農園では、生産量を上げるため大量の農薬が使われることも珍しくありません。その農薬の影響で、働く人や周囲に暮らす人々が深刻な健康被害を受け、病気になる事態も発生しています。

また、農薬を使用することは環境にも大きな負荷を与えます。薬によって微生物が死に土が痩せてしまうため、継続的にその土地で農業を続けることが難しくなる可能性もあります。

農家にとってベストなのは、健康を脅かされることなく継続的に作物を作り、買ってもらって生活が向上すること。そして消費者にとってのベストは、残留農薬や遺伝子組み換えの心配がない、自然に育った安心できる作物を受け取ることです。

フェアトレードを行うこと、フェアトレード製品を購入することは、持続可能な農業を支援することです。そして、私たちが良いものを受け取り続ける地盤を作ることにも繋がっています。

フェアトレード製品は安心できる商品

FLOとWFTOの認証マークがついたフェアトレード製品の全てがオーガニックや無農薬ではありませんが、過剰に農薬を使用せず、できるだけ減らすことを目指しながら作られた製品です。

また、オーガニックで作られた製品も多く、遺伝子組み換え品は使用されていません。

これらの認証を受けていないフェアトレード製品に関しては、団体や自治体、個人が独自の基準をもとにフェアトレード認定をしています。FLOとWFTOが日本で一般的になる前から、直接生産者と取引をしているケースがほとんどです。フェアトレードを名乗ることに対する法的な基準がないため一概には言えませんが、中にはFLOやWFTOよりも厳しい基準を作っている団体もあります。

フェアトレードではない製品と比べると安全で安心できる製品である可能性が高いと言えます。

「安いから」という理由だけで、どのように栽培されたかも分からない製品を手に取るより、確実に「安全」だと分かる製品を手にした方が、心にも体にもストレスかかりません。
また、フェアトレード製品を使うことで、フェアトレードそのものを応援し、生産者を支える力になれます。

フェアトレード製品は激安商品ほど安くはありませんが、高級品というほど高額すぎる値段でもありません。毎日の買い物の中で、1つか2つはフェアトレード製品を取り入れるようにする、迷ったらフェアトレードマークを確認し、フェアトレード製品を優先して買うようにするなど、無理なくできるところから支援の輪を広げていきませんか。

ABOUTこの記事をかいた人

菅野りえ

埼玉県出身、神奈川県在住。旅とサブカルが好きなフリーライターのベジタリアン。玄米と納豆とみそ汁があれば基本的に幸せ。