CoQ10とは?(コエンザイムQ10)

サプリメントで人気のCoQ10(コエンザイムQ10)。私たちが生きていくために必須の成分ですが、年とともに体内のCoQ10の量は減っていきます。CoQ10の基礎知識と賢く補う方法について解説します。

『CoQ10』ってどのようなもの?

CoQ10は、体のエネルギーの元となる働きをするなど、生命を維持するために必要な成分。ビタミンやミネラルと同じように、健康を維持するうえで重要な役割をもっています。CoQ10は「ユビキノン」とも呼ばれます。これは、「至るところに存在する」を意味するラテン語の「ユビキタス」に由来した名称。この言葉が意味するように、CoQ10は体を構成するあらゆる組織(主にミトコンドリア)に存在します。

ところが、体内のCoQ10は20歳ごろをピークに、加齢とともに少しずつ減少していきます。とくに、40歳ごろから一気に減少し始めます。高齢者になると、ピーク時のおよそ半分に。もちろん、私たちは日常生活のなかでCoQ10が減少していることに気づきません。知らず知らずのうちに減っていくのですね。これは、体内のCoQ10を合成する機能が年とともに低下するため。さらにケガや病気、飲酒・喫煙などの不摂生、偏った食事などによっても減少することが報告されています。

CoQ10は食品で補える!

このように、体内のCoQ10は年齢とともに減っていきます。そこで、CoQ10を補うことが大切です。

本来、CoQ10は体のなかで自然につくられます。体内でCoQ10を合成する際には、チロシンやビタミンC、ビタミンB群などが使われます。CoQ10の合成を促すためには、日ごろからそうした成分を豊富に含む栄養バランスの良い食事をとることが重要となります。

また、CoQ10は食品で補うこともできます。CoQ10は脂溶性の成分で、魚介類や肉類をはじめ、牛乳、ナッツ類、一部の野菜などに多く含まれています。魚介類はイワシ・サバ・ブリなどの青魚。野菜はブロッコリーやほうれん草など。これらの食材をしっかりと食べることが、CoQ10の減少を食い止めることにつながるのですね。

CoQ10は、もともと医薬品の成分だった?

CoQ10といえば、今やサプリメントの人気の成分。しかし、もともとは医薬品でしか使用できない成分だったのです。日本では1974年に、医師が処方する医療用医薬品としてCoQ10を認可。その後、薬局やドラッグストアで販売する一般用医薬品としても認可されました。その当時は医薬品にしか使えませんでしたが、2001年4月に厚生労働省が食品への使用も認めたのです。これにより、CoQ10を配合したサプリメントなどが登場することになります。

情報番組で紹介、一躍ブームに

CoQ10が脚光を浴びたのは2004年になってから。テレビの情報番組で健康への効果が紹介されたことをきっかけに、ブームが起こりました。当時の健康食品ブームはテレビ番組が火付け役となったものが多く、CoQ10もその1つだったわけです。テレビ番組によるブームは「3ヵ月しか続かない」と言われています。CoQ10ブームもそうした例に漏れず、しばらくして沈静化。消費者の健康志向を背景に、次から次へと新たなサプリメント成分が登場したことも加わり、一時期はCoQ10の人気に陰りも見られました。

しかし、2015年からスタートした機能性表示食品に使用されるようになり、再び注目を集めるようになりました。機能性表示食品ではCoQ10がもつ健康への効果を表示できますが、もともと多くの研究成果が報告されていたことも、この動きを後押ししました。

摂取量の基準はあるの?

もともと医薬品成分だったのですが、CoQ10のサプリメントなどについては、1日あたりの摂取量の基準を設けていません。国内で販売されているサプリメントを見ると、1日の摂取目安量を30~300㎎としている製品が主流です。

一方、日本で認可された医薬品の用量は1日30㎎。医薬品の配合量よりも多く含むサプリメントが販売されているわけですね。この現状を踏まえ、厚生労働省はCoQ10について、企業の責任によって安全性を監視し、健康被害が出た場合には情報を収集するように指導しています。厚労省の方針に沿って、健康食品の業界団体ではCoQ10を含むサプリメントの販売後調査を実施。販売後の健康被害の発生状況を把握するために、監視を強めています。

かしこくCoQ10サプリを利用しよう

ここまで説明してきたように、加齢によって減少するCoQ10を補うためには、バランスのとれた食事によって体内のCoQ10の合成を促すことが大切。同時に、イワシやサバなどの青魚をしっかりと食べて直接補うことも有効ですので、ぜひ実践してくださいね。しかし、朝・昼・夕ごとに、バランスの良い食事を用意するのはたいへん。また、食品から摂取しようとしても、実は、CoQ10は吸収率が悪いという弱点をもっているのです。そこで、近年ではサプリメントなどで効率的に補うことが注目されています。

サプリメントなどの健康食品でCoQ10を補給する場合は、配合量に注意しましょう。多く取れば取るほど健康に良いというわけではありません。むしろ過剰摂取すると、健康被害を招いてしまいます。基本的には、国が指導する1日30㎎以下の摂取量を目安にすると安心です。CoQ10への理解を深めて、健康の維持・増進のために青魚などを食事に取り入れるとともに、これを補足する意味で、サプリメントや健康食品を賢く利用してくださいね。

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フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。