健康食品の確かな情報を得る方法

「健康食品を利用したい」と思って関連情報を探すと、あまりにも多くの情報が出てきて、どれを信用してよいのかわかりませんね。健康食品の確かな情報を得るための方法について解説します。

ありがちな情報収集の方法

自分に合う健康食品を見つけようとする場合、あなたならどのような媒体を頼りにしますか?よくあるのがテレビの情報番組、健康雑誌、インターネット上の情報などです。東京都の調査(2016年)によると、健康食品を購入する際に参考とする情報は「テレビ・ラジオの番組やコマーシャル」が35.9%で最多。次に「口コミ・インターネット等での評判」(31.5%)、「商品のパッケージ、ラベル」(29%)と続きます。

注意したい情報源とは?

情報源によっては“落とし穴”もあるので、注意が必要です。テレビの情報番組は、客観的な視点から健康に良い食品を紹介しているように思えることでしょう。しかし、販売会社が自社商品の販売拡大のために、コンサルティング会社や広告代理店を通してテレビ局に働きかけるケースも少なくありません。健康雑誌については広告スポンサーの意向が強く反映されますので、掲載されている情報を鵜呑みにできません。

インターネット上の健康情報はさらに深刻。膨大な量の情報が溢れかえっていて、もはやカオスの状態です。特に注意したいのが、口コミサイトやランキングサイト。口コミサイトではサクラを雇っての投稿が問題視されています。ランキングサイトは客観的に評価しているような印象がありますが、ランキング1位の商品の販売会社がアフィリエイターなどに依頼して作成しているのが実態です。有名人やタレントのブログも、契約に基づいて宣伝している可能性がありますので鵜呑みにできません。

健康食品の安全性を知るための情報源

健康食品を選ぶときに真っ先に確認してほしいのが、安全性に関する情報です。

ポイント1

過去に健康被害が発生した成分・素材を知ること。その際に役に立つのが、食品安全委員会のホームページにある「健康食品に関する危害情報について」というページ(https://www.fsc.go.jp/kigai_jyoho/)です。このページには、実際に深刻な健康被害が発生した健康食品の情報が掲載されています。人気素材の「プエラリア・ミリフィカ」「キャンドルブッシュ」などの情報もあります。当然ですが、過去に深刻な健康被害を出した健康食品は避けるのが賢明です。

ポイント2

医薬品との相互作用に注意すること。利用する健康食品に相互作用があれば、服用中の医薬品が効きにくくなったり、逆に効きすぎたりして体調に異変が生じてしまいます。相互作用の情報は、公的機関や医療機関などのホームページに掲載されています。筆者のおススメは、(一社)愛知県薬剤師会の「医薬品との併用に注意のいる健康食品」(https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3755.html)というページです。

このページでは、ビタミン・ミネラル、特定保健用食品(トクホ)の成分、ハーブ類などと医薬品の相互作用に関する情報を公表しています。各成分・素材について、どの医薬品と併用すると、どのような弊害が生じるかを具体的に説明しています。現在、医薬品を服用中の方は相互作用の有無を確認するようにしましょう。

また、一般食品と医薬品の相互作用については、京都府の「食品とくすりの食べ合わせ」(http://www.pref.kyoto.jp/shoku-kawaraban/tabeawase01.html)というページがわかりやすいです。

健康食品の効果を知るための情報源

健康食品の健康への効果については、医薬基盤・健康・栄養研究所が運営する「『健康食品』の素材情報データベース」(https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html)がおススメ。同研究所では、世界中の研究論文を収集して分析。健康食品の“等身大”の効果を知るためのファーストチョイスのデータベースとなります。専門家向けと位置づけられていますが、誰でも閲覧可能です。

消費者庁の「機能性表示食品の届出情報検索」システム(https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc01/)もおススメ。登録されている情報は機能性表示食品に含まれる成分・素材に限定されますが、登録件数は4,100件超に上ります。企業が立証した具体的な効果を知ることができます。

このほか、前述の愛知県薬剤師会の「健康食品の有効成分と注意事項」(https://www.apha.jp/medicine_room/entry-3756.html)というページも、とてもわかりやすく整理されています。各成分・素材の効果と合わせて、摂取を避けた方がよい対象者についても記載されていますので、効果と安全性の両方を一緒に確認できます。

商品選びには基礎知識も大切

健康食品の基本知識を得るには、医薬基盤・健康・栄養研究所の消費者向けページ「『健康食品』の安全性・有効性情報サイトナビページ」(https://hfnet.nibiohn.go.jp/notes/detail.php?no=2311)が役立ちます。また、栄養素・成分の基礎知識については、厚生労働省が運営する「e-ヘルスネット」内の「栄養・食生活/栄養素と食品成分」(https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary-summaries/e-nutrient)というページがわかりやすいです。ぜひ今回紹介した各サイトを活用して、あなたに合う健康食品を賢く選んでくださいね。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。