調理すると食品の色が変わるのはどうして?

リンゴを切ってしばらくすると切断面が茶色くなったり、紅茶にレモンを入れると薄い色になったりします。不思議だと思いませんか?調理によって色が変わる食品と、その理由、防止方法について解説いたします。

リンゴの変色防止に塩水が有効な理由とは?

調理して色が変わる食品で、真っ先に思い浮かべるのはリンゴかもしれませんね。リンゴを切ってしばらく置いておくと、切り口が茶色っぽく変色してしまいます。

リンゴには栄養成分の「ポリフェノール」と、「ポリフェノール酸化酵素」が含まれています。空気に触れると、ポリフェノール酸化酵素が作用してポリフェノールが酸化し、切り口が褐色に変わります。

変色しても味覚にほとんど影響しませんが、見た目が悪くなるため、リンゴは切ったらすぐに食べた方がよいでしょう。リンゴの色が変わらないようにするには、薄めの塩水に切断面を浸すのがオススメ。塩分はポリフェノール酸化酵素の働きを抑制するため、変色を防いでくれるのです。

レモンティーの薄い色の正体は「テアルビジン」という成分

あなたは紅茶を飲むときは、レモン派?それともミルク派?

紅茶にミルクを入れて色が変わるのは、特に不思議ではないですよね。でも、レモンを入れると紅茶の色が薄くなるのは、どうしてでしょうか?

紅茶には、赤色色素のポリフェノールである「テアフラビン」と「テアルビジン」が含まれています。紅茶の赤っぽい色は、これらの成分によるものです。テアフラビンは酸性によって無色化する性質があります。このため、レモンを入れるとテアルビジンだけの色となり、全体として色が薄くなるわけです。

加熱すると色が変わるカニ・エビやワカメ

生鮮のエビやカニは黒っぽい、またはグレーっぽい色をしているのに、茹でると鮮やかな赤色に変身します。

エビやカニには、アスタキサンチンという成分が豊富に含まれています。アスタキサンチンは赤色の色素成分で、カロテノイドの一種です。

アスタキサンチンは、たんぱく質と結びついているときは緑っぽい色をしていますが、加熱するとたんぱく質と分離し、赤色に変わります。もともと赤色の色素成分であるので、加熱によって本来の色に戻ると理解してくださいね。

ワカメも加熱によって色が変わります。採れたてのワカメは褐色をしていますが、お湯で茹でると、鮮やかな緑色に変わります。

ワカメには「クロロフィル」や「フコキサンチン」という、健康に役立つ成分が含まれています。クロロフィルは緑色、フコキサンチンは赤っぽい色の色素成分。採れたてのワカメは、この2つの成分が混ざった状態にあり、褐色に見えるのですね。

お湯で茹でると、フコキサンチンは熱に弱いために色素が壊れてしまうのですが、クロロフィルは熱に強く、緑色を維持します。この結果、緑色に変わるわけです。

ゴボウとコンニャクを一緒に煮ると・・・

加熱によって色が変わるケースをもう一例紹介します。ゴボウとコンニャクを一緒に煮て、緑っぽい色になった経験はありませんか?ゴボウだけを煮てもそのような色にはなりませんが、コンニャクと一緒だと、全体的に緑色に変化することがあります。

ゴボウには、ポリフェノールの一種の「クロロゲン酸」が含まれています。ゴボウを煮ると、煮汁にクロロゲン酸が溶け出していきます。これが「灰汁(あく)」の正体です。

コンニャクには凝固剤(アルカリ性)が含まれていて、煮汁中のクロロゲン酸と反応すると、緑っぽい色の物質に変わります。変色を防ぐためには、酢を加えて中和させるとよいでしょう。

謎に包まれたニンニクの変色

ニンニクは白色をしていますが、1週間ほど酢に漬けておくと青緑色に変わります。はっきりとした理由は解明されていませんが、ニンニクに含まれる辛味成分と鉄分が反応したためと考えられています。

また、ニンニクをすり下ろして保存しておくと、緑色になることがあります。これについても「葉緑素による緑変」「イオウ化合物と鉄の反応」など、いくつかの説があります。ニンニクの色の変化は、今も謎に包まれたままです。

イモ類の変色も身近なものですね。サツマイモを蒸かして、しばらく冷蔵庫に入れておくと、青っぽい色に変わっていきます。そうした経験をした方は多いのではないでしょうか?

これは、サツマイモに含まれるポリフェノールの「クロロゲン酸」が、冷蔵庫内のアルカリ性の物質と反応して変化することが原因です。

ジャガイモはすり下ろして放置しておくと、褐色に変わります。これは、ジャガイモに含まれるアミノ酸の1つ「チロシン」が空気中の酸素に触れて、「メラニン」という物質が発生するためです。

食品の色素成分は健康にも役立つ!

今回紹介した事例をはじめ、調理によって変色する食品は少なくありません。これらは腐っているわけではなく、おいしく食べることができます。

また、変色の正体である色素成分は、私たちの健康にも大いに貢献してくれます。サプリメントに用いる色素成分には、さまざまな種類があります。

原料屋ドットコムが取り扱っている青汁の原料である「明日葉」という植物には、黄色い色素成分が含まれています。これは「カルコン」というポリフェノールの1種で、健康効果のメカニズムなどが明らかにされています。

黄色の色素成分のルテインも、サプリメントの代表的な素材です。サプリメントに用いるルテインは、主にマリーゴールドの花弁から抽出されたもの。これまでに、多数の有効性に関する研究成果が発表されています。 色素成分は本来、紫外線や害虫から植物の身を守るという働きを持っていますが、調理で食品の色を変えたり、人の健康に役立ったりと、研究の進展につれて、これまでわからなかったことが解明されています。




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フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。