健康と美容に大切な「ビタミン B 群」についてもっと知ろう!

ビタミンB1やB2、ナイアシンといったビタミンB群は、私たちの身体の機能を調節したり、必要な栄養素を分解・合成したりするなど、健康であり続けるために不可欠な成分です。ビタミンB群の基礎知識について解説します。

ビタミンB群は水溶性ビタミン8種類

ビタミン類は、水に溶ける水溶性ビタミンと、油に溶けやすい脂溶性ビタミンに大別されます。ビタミンB群は水溶性ビタミンです。ビタミンB群には、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチンの8種類があります。

ビタミンB1

ビタミンB1は、1910年に米ぬかから発見されました。ビタミンB1は体内で糖質の代謝に関与していることから、欠乏すると脳や神経に影響を与えます。健康な男性に1カ月間、ビタミンB1を完全に除去した食事を与えた実験では、開始から2週間後に、脚気の初期症状である全身倦怠感が確認されました。ビタミンB1を豊富に含む食品には、玄米、パスタ、豆腐、そば、サツマイモなどがあります。

ビタミンB2

ビタミンB2は、エネルギーや物質の代謝に関与しています。また、皮膚・粘膜を保護する機能があります。欠乏すると、口内炎・舌炎・皮膚炎などが起こります。ビタミンB2を豊富に含む食品として、豚・牛・鶏のレバー、豚肉などが知られています。ほかにも牛乳、サンマ、ブリ、卵、アーモンド、スイートコーンなどがあります。

ビタミンB6

ビタミンB6は、たんぱく質や脂質の代謝、ホルモンの調節などに関与しています。欠乏すると、皮膚炎、口角症、舌炎を引き起こします。成人では、うつ状態、錯乱、痙攣発作が生じます。ビタミンB6を多く含む食品には、玄米、サツマイモ、ジャガイモ、豚肉、鶏肉、牛肉、バナナなどがあります。

ビタミンB12

ビタミンB12は、血液をつくるのに重要な役割を果たしていて、「造血のビタミン」とも呼ばれます。欠乏すると、巨赤芽球性貧血、脳や末梢神経の障害を引き起こします。ビタミンB12が多い食品として、シジミ、アサリ、紅鮭、サンマ、サバなどの魚介類があります。

ナイアシン

ナイアシンは、ニコチンアミドとニコチン酸の総称。エネルギーの産生、脂質やアミノ酸の代謝に関与しています。皮膚や粘膜に対する重要な作用もあります。ナイアシンが欠乏すると、皮膚炎、下痢、精神神経症状などが表れます。ニコチンアミドは動物性の食品に多く、ニコチン酸は植物性の食品に多く含まれています。ナイアシンを豊富に含む食品は、玄米、そば、鶏肉、豚肉、サンマ、カツオ、マグロなどです。

パントテン酸

パントテン酸は、あらゆる食品に含まれることから、「どこにでもある酸」という意味のギリシャ語に由来して名付けられました。パントテン酸は、体内で糖や脂肪酸の代謝に関与しています。さまざまな食品に含まれるため、欠乏することは稀ですが、欠乏すると、成長の停止、手足のしびれ、頭痛、疲労、食欲不振などが起こります。パントテン酸を多く含む食品には、牛乳や豆乳をはじめ、牛肉、鶏肉、玄米、カボチャ、サツマイモ、ブロッコリーなどがあります。

葉酸

葉酸は、DNAやRNAの合成、たんぱく質の合成、アミノ酸の代謝などに関与しています。葉酸の欠乏症として、巨赤芽球性貧血が知られています。また、赤ちゃんの健康を守るために、妊娠を予定している女性にとって葉酸は重要な役割を果たします。葉酸を豊富に含む食品は、トウモロコシ、豆乳、玉露、ホウレンソウ、ブロッコリー、イチゴ、ソラマメなどです。

ビオチン

ビオチンは、体内で補酵素として、糖質・アミノ酸・脂質の合成や代謝に関与しています。皮膚や粘膜の健康を守る役割もあります。欠乏すると、皮膚炎、舌炎、吐き気、食欲不振、顔面蒼白といった症状が表れます。ビオチンは必須の水溶性ビタミンですが、さまざまな食品に含まれているため、通常の食事をしている限り、欠乏症の心配は不要です。ビオチンを多く含む食品には、サンマ、ハマチ、サケ、ウナギ、アサリ、タラコ、豚肉、そば、ブロッコリー、カリフラワー、玄米、納豆などがあります。

ビタミンB群を配合した「栄養機能食品」のさまざまな機能

ビタミンB群は、消費者庁が所管する「栄養機能食品」の対象成分です。栄養機能食品は特定の栄養成分を補給するために利用される食品で、ビタミンB 群については以下の機能が表示できます。

  • ビタミンB1は、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
  • ビタミンB2は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
  • ビタミンB6は、たんぱく質からのエネルギーの産生と皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
  • ビタミンB12は、赤血球の形成を助ける栄養素です。
  • ナイアシンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
  • パントテン酸は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。
  • 葉酸は、赤血球の形成を助ける栄養素です。葉酸は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素です。
  • ビオチンは、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。

栄養バランスが偏りがちな方は栄養機能食品がオススメ

健康や美容を守るためには、ビタミンB群を日頃の食事で摂取し続けることが必要です。通常の食生活を送っている方にとっては、欠乏する心配はありません。しかし、「偏食の傾向が強い」「飲む機会が多い」など栄養バランスが偏りがちで、ビタミンB 群を補給したい場合には、栄養機能食品の健康食品やサプリメントがオススメです。

ABOUTこの記事をかいた人

フリーライター。食品、サプリメント、医薬品、医療、通販などの分野を中心に取材・執筆活動。玉石混交の情報が氾濫する中で、正しい情報の発信を目指します。千葉ロッテマリーンズを応援。仕事で疲れた時は、MISIAさんの歌が一番の癒し。