最近話題の「エシカル消費」って何?

最近、「エシカル消費」という言葉を耳にしませんか?一言でいうと、環境問題や経済格差といった社会的課題の解決に役立つ商品を選んで、消費することです。例えば、オーガニック商品やエコ商品を選ぶことも、エシカル消費の1つ。地域や社会に対して思いやりのある消費行動を意味するエシカル消費について考えてみましょう。

日々の買い物を通して、さまざまな社会的課題に対応

あなたは買い物をするときに、何を重視されますか?小さなお子さんのいる家庭では、「安全性」かもしれませんね。節約するために「価格」を優先することもあるでしょう。

従来は「安全性」「品質」「価格」「利便性」で商品を選択してきましたが、それだけでは不十分となっています。というのも、地球温暖化、海洋汚染、貧富の格差、食料不足、ダイバーシティへの対応など、解決すべき問題が次々と登場し、一人ひとりが真剣に向き合わなければならないからです。

そこで注目されるのが、人・社会・地域・環境に配慮した消費行動。私たち一人ひとりがそうした課題に気づき、日々の買い物を通して、課題を解決するために何ができるのかを考えて行動することをエシカル消費と言います。

商品選びの基準に、「安全性」「品質」「価格」「利便性」だけでなく、エシカル消費も加えることが求められているわけです。

国産野菜やオーガニック食品を選ぶこともエシカル消費

エシカル消費と聞くと、なんだか難しそうな感じがしますが、そんなことはありません。例えば、スーパーで買い物をするときに、「国産の食材を使用しているか」「オーガニック食品か」などを重視して商品を選べば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の削減や、生物多様性につながります。

必要な量だけを購入すれば、食品ロスの削減に貢献できます。また、プラスチック製のストローやスプーンなどを避けることは、海洋汚染の防止に一役買います。

商品選びの基準は「自分」から「みんなに優しい」へ

従来の消費行動とエシカル消費は、どう違うのでしょうか。

1点目として、これまで「今だけ」を考えて行動しがちでしたが、エシカル消費では「みんなの未来」を考えることが挙げられます。取り組み事例に、エコ商品やリサイクル商品の選択、食品ロスの削減、エシカルファッション、ESG投資(環境・社会・企業統治に配慮する企業を選別して行う投資)などがあります。

2点目の違いは、従来「ここだけ」を考えて行動しましたが、エシカル消費は「地域や世界」を考えて行動すること。具体例に、フェアトレード商品やオーガニック商品、寄付付き商品、被災地産品の選択、地産地消などがあります。

3点目として、従来の「自分だけ」ではなく、エシカル消費では「みんなに優しい社会」を軸に行動することが挙げられます。これには、ユニバーサルデザイン、ダイバーシティ、生物多様性などの取り組みがあります。

従来の「今だけ」「ここだけ」「自分だけ」という買い物ではなく、エシカル消費は「未来」「地域・世界」「みんなに優しい社会」を念頭に置いた消費行動なのですね。

エシカル消費はSDGsの目標に合致

すでにお気づきかもしれませんが、エシカル消費は、世界中で推進しているSDGs(持続可能な開発目標)に沿ったものです。

エシカル消費は、SDGsが掲げる目標の1つ「つくる責任 つかう責任」に該当。持続可能な方法で生産し、消費する取り組みを推進するというものです。

買い物でエコ商品やオーガニック商品、フェアトレード商品などを選択することは、まさに持続可能な取り組みと言えるでしょう。

買い物では各種マークも参考に

「でも、どのように選べばよいの?」と悩んでしまう方もいるでしょう。商品パッケージの記載をしっかり読むことが基本ですが、買い物を短時間で終わらせたい場合には、商品に記載されている各種のマークが目印となります。

例えば、オーガニック商品ならば「有機JASマーク」のあるものを選びます。環境に優しい商品ならば「エコマーク」、生産者の暮しに配慮した商品ならば「国際フェアトレード認証ラベル」の付いたものを選択するとよいでしょう。

このほかにも、熱帯林の環境や生物多様性に配慮した商品に記載される「RSPO認証」、水産資源に配慮した漁業による水産物に貼付される「MSC(海のエコラベル)」、持続可能な農法で栽培された商品に添付される「レインフォレスト・アライアンス認証」などのマークがあります。

できることから始めてみよう!

産業界も環境・人権・地域などに配慮した企業活動を目指す傾向にあります。そうした企業を応援するという意味でも、エシカル消費を心がけることが大切です。 エシカル消費の実践は難しいものではありません。食べ物を残さないようにする、オーガニック商品やエコ商品の利用も心がける、自動車を使用せずに近場で買い物をする、といったことから始めてみてはどうでしょうか。