微量ミネラルの1種である「亜鉛」も、ほかのミネラル類と同様に、欠乏すると健康に悪影響を及ぼします。反対に摂り過ぎても健康被害が生じます。不足気味の方は食生活を見直すことが基本ですが、手軽に補給したい時には栄養機能食品がオススメ。国が定めた範囲内の含有量のため、安心して補給することができます。また、商品パッケージには「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」などの表示があり、どのような機能を持つのかも理解できます。
体内に約2,000mgの亜鉛が存在

亜鉛は微量ミネラルの1種で、私たちの体が正常に機能するために欠かせない栄養素です。成人の場合、体内に約2,000mgの亜鉛が存在し、たんぱく質と結合して生理機能が発揮されます。
摂取量が不足しても多すぎても、健康被害につながる恐れがあります。では、どのくらい摂取すればよいのでしょうか?
厚生労働省の食事摂取基準(2025年版)によると、亜鉛の1日あたりの推奨量は、未成年男性の場合、1~2歳が3.5mg、3~5歳が4.0mg、6~7歳が5.0mg、8~9歳が5.5mg、10~11歳が8.0mg、12~14歳が8.5mg、15~17歳が10.0mgとされています。成人については18歳~29歳が9.0mg、30~64歳が9.5mgなどです。
未成年女性の場合、1~2歳が3.0mg、3~5歳が3.5mg、6~7歳が4.5mg、8~9歳が5.5mg、10~11歳が7.5mg、12~14歳が8.5mg、15~17歳が8.0mg。成人については18~29歳が7.5mg、30~64歳が8.0mgなどに設定されています。
手軽に補給するなら栄養機能食品が安心
亜鉛が不足気味の方は、日ごろの食生活を見直すように心がけましょう。亜鉛を豊富に含む食材には、牡蠣(カキ)や豚レバー、赤身の肉類をはじめ、ウナギのかば焼き、焼きのり、ワカメ、枝豆、油揚げ、大豆、切り干し大根、アーモンド、クルミ、落花生などがあります。これらの食材をバランス良く食卓に乗せるようにすれば、欠乏する心配はありません。
しかし、家庭での調理に時間を取れない、外食や飲み会が多いといった事情で、手軽に補給したい場合には、栄養機能食品がオススメです。栄養機能食品はミネラルやビタミンなどを対象とし、亜鉛を補給するための商品も販売されています。
不足気味の方では、亜鉛のサプリメントやマルチミネラルのサプリメントを利用するケースも多いと思われますが、含有量(1日あたりの摂取量)が不適切なものもあるため、注意が必要です。これに対して栄養機能食品ならば、含有量が一定の範囲内に収められているため、安心して利用できます。
栄養機能食品制度は消費者庁が所管しています。特定の栄養成分を補給するために利用される食品であり、加工食品のほか、生鮮食品も対象となっています。
栄養機能食品として販売するためには、届出や国による許可は不要で、事業者の任意によって栄養成分の機能を表示できます。ただし、それぞれの成分ごとに定められている上限値・下限値の範囲内に成分含有量を収めることが必要です。これに加えて、予め国が定めた注意喚起表示の記載も求められます。
栄養機能食品(亜鉛)「皮膚や粘膜の健康維持を助ける」

前述したように、栄養機能食品では、1日あたりの摂取目安量に含まれる栄養成分の上限値と下限値が決められています。亜鉛についは下限値が2.64mg、上限値が15mgです。
商品パッケージに記載できる表示も、予め国が定めています。亜鉛については、「亜鉛は、味覚を正常に保つのに必要な栄養素です。亜鉛は、皮膚や粘膜の健康維持を助ける栄養素です。亜鉛は、たんぱく質・核酸の代謝に関与して、健康の維持に役立つ栄養素です。」と表示します。販売事業者が勝手に文言を変えることは許されません。
また、注意喚起表示も必須となります。亜鉛の場合には、「本品は、多量摂取により疾病が治癒したり、より健康が増進するものではありません。亜鉛の摂り過ぎは、銅の吸収を阻害するおそれがありますので、過剰摂取にならないよう注意してください。1日の摂取目安量を守ってください。乳幼児・小児は本品の摂取を避けてください。」の表示が必要となります。
亜鉛サプリはカキ肉エキスが人気
栄養機能食品として販売される商品は、サプリメント形状のものをはじめ、飲料、菓子、クッキーなどバラエティーに富み、あなたの好みや利用したいシーンに合わせて選択できます。
サプリメントではカキ肉エキスが人気です。温水やアルコールによってカキの身から抽出されたカキ肉エキスを原材料に使用したサプリメントには、亜鉛をはじめとしたミネラル類、ビタミン類、各種アミノ酸などが含まれ、“海のスーパーフード”として栄養価の高さが注目されています。
栄養機能食品(亜鉛)のカキ肉エキスのサプリメントならば、不足気味の亜鉛を適切に補給することができます。1日あたりの摂取目安量を守って、利用するようにしましょう。
食生活の見直しが基本

亜鉛に限らず、ほかのミネラル類やビタミン類なども過不足なく摂取することが、健康を守る上で重要です。まずは食生活を見直すことが基本となりますが、健康食品を利用する場合には、不足気味の栄養成分を適切に補給できる栄養機能食品を選ぶようにしましょう。