栽培技術や流通システムの発展で、今では1年を通してスーパー店頭でさまざまな野菜やフルーツを購入できます。しかし、旬の時期に収穫された食材は栄養価が高く、味覚も優れています。冬に旬を迎える主な食材を紹介します。
なぜ旬が大切なの?旬のメリット
旬の野菜には、いくつかのメリットがあります。1つ目は、ほかの時期と比べて、旬の食材の多くは栄養価が高くなること。2つ目は、例えば旬の野菜は甘みが増すなど、よりおいしく味わえること。3つ目は、ほかの時期よりもリーズナブルに購入できることです。
冬が旬の野菜 甘みを増すダイコンやニンジン、栄養価が高まるホウレンソウ

冬に旬を迎える野菜の代表に、ダイコンやニンジン、ホウレンソウがあります。
料理で使用する「青首ダイコン」と呼ばれる品種は12月~2月頃が旬で、おでんや煮物に欠かせない食材。冬にかけて甘みが増し、柔らかさも出てくることから、煮物などに最適です。ダイコンをすりおろしたりすると、「イソチオシアネート」という成分が生成されます。辛味の元となる成分ですが、健康に役立つことが報告されています。
ニンジンも1年中売られていますが、甘みが豊かで、もっともおいしく感じるのは秋から冬にかけて店頭に並ぶもの。緑黄色野菜の中でもニンジンは、β-カロテンの含有量がトップクラス。特に皮の付近に多く含まれていますので、皮ごと料理することがオススメ。農薬が気になる方は、有機農法などで栽培されたものを選びましょう。
ホウレンソウも年間を通じて出回りますが、旬は11月~1月頃。冬場には「寒締めホウレンソウ」と呼ばれるものが出回ります。これは、成長の途中までビニールをかけて栽培し、収穫前に冷気に晒して収穫されます。そうすることによって甘味が増し、カロテンやビタミン類の含有量が増加するのです。夏に収穫されたものと比べて、ビタミンCが約3倍も多いことが知られています。
レンコンやハクサイも栄養価が高い冬の野菜
ダイコン・ニンジン・ホウレンソウと並び、ハクサイやレンコンも代表的な冬が旬の野菜です。
冬場の鍋料理に欠かせないのがハクサイ。11月頃から出荷量が増え、2月頃までが旬となります。白くて水っぽい野菜ですが、ハクサイにはカリウムやビタミンCが多く含まれています。
レンコンも1年を通してスーパー店頭に並びますが、秋から冬にかけて旬を迎えます。ビタミンC、カリウム・カルシウム・マグネシウムといったミネラル類が豊富で、食物繊維やポリフェノールの1種であるタンニンも多く、栄養価の高い野菜です。
このほか冬の野菜として、小松菜・カブ・ブロッコリー・タマネギ・ネギなどがあります。
冬が旬のフルーツ イチゴと温州ミカンで健康維持

冬に旬を迎えるフルーツとして、イチゴを思い浮かべる方も多いことでしょう。もともとイチゴの旬は春と言われていましたが、ハウス栽培が一般化し、現在では代表的な冬のフルーツとなっています。
イチゴの流通量は12月に入ると増え始め、年明けから春にかけてピークを迎えます。ビタミンCがリッチで、ポリフェノールの一種であるアントシアニンも豊富。味覚の良さだけでなく、健康に役立つフルーツとして知られています。
イチゴと並び、温州ミカンも冬のフルーツの代表。温州ミカンは早いものでは秋に旬を迎えますが、通常は12月ごろが旬です。ビタミンC、クエン酸、ペクチンが多く、カロテノイドの1種であるβ-クリプトキサンチンもリッチ。温州ミカンはリーズナブルで、栄養面に優れたフルーツなのですね。
このほか、イヨカン・ザボン・レモンなども冬が旬のフルーツです。
冬場がシーズンの魚介類 ブリ、牡蠣は旬がおいしい!
魚介類も旬の季節に食べることがオススメ。よりおいしく食べることができるからです。
ブリ(いわゆる寒ブリ)は12月~2月に旬を迎えます。この時期になると、脂を多く蓄えていますので、特においしく感じられます。栄養価も高く、ビタミンD、鉄分、タウリンが豊富。さらに、オメガ3系の脂肪酸であるDHA・EPAを多く含んでいます。
キンメダイは年間を通じて水揚げされますが、旬は冬から春にかけて。栄養価を見ると、DHA・EPAをはじめ、マグネシウムやリンなどのミネラル類が豊富。また、良質なたんぱく源となります。
牡蠣(カキ)の旬は12月~2月。特にこの時期は、おいしく食べることができます。夏が産卵期のため、夏場から秋にかけて水揚げされたものは、味が落ちると言われています。牡蠣は「海のミルク」と呼ばれるように、栄養満点の食材。グリコーゲンや必須アミノ酸をはじめ、亜鉛・鉄・銅といったミネラル類、ビタミンB1・B2・B12がリッチです。
これらのほか、冬が旬の魚介類には、タラ・カニ・サワラ、高級食材のアンコウやフグなどがあります。
旬の食材で寒い季節を乗り切ろう

冬になると、鍋料理などの体が温まるものが食べたくなりますよね。使用する食材は、味の良さや栄養価を考えると、旬のものを選ぶようにしましょう。
旬の食材をしっかりと食べて、健康を整え、寒い季節を乗り切ってくださいね。