冬が旬!大根をよりおいしく食べる方法と保存方法をご紹介

一年中、スーパーで手にすることができる大根ですが、冬に旬を迎えるため甘みや栄養素も冬以外の時期に比べるとグッと高くなります。

また、冬になると、おでんや鍋がおいしくなりますね。そんなおでんや鍋には、大根。出汁がしっかり浸み込んだ大根が大好きという方も多いのではないでしょうか?

今回は、冬が旬の大根をよりおいしく食べる方法と保存方法を紹介します。

大根の葉っぱは捨てないで!

スーパーで売られている大根の多くは、葉の部分が切り落とされ 、少しだけ葉が残っている状態です。また、料理を作るときは葉を捨ててしまう方が多くいます。

普段、私たちが食べているのは大根の根の部分です。冬に旬を迎え大きく成長した大根をそのまま、畑で育てるとどうなると思いますか?大根は、アブラナ科なので菜の花のような小さく可愛い白や薄紫の花が咲きます。花大根と呼ばれ、蕾の内であれば食べることもできます。

根である実の部分は、葉に栄養を送り花や実をつけようとするため、葉がついたまま保存すると、葉が栄養や水分を吸ってしまいます。また、大根の栄養素を見たとき、実(白い部分)と葉に含まれる栄養素は違います。

葉付き大根の葉は、青汁の原材料に使用されますし、春の七草である「スズシロ」は大根の葉を指していることからも捨てるのはもったいない部分です。

では、大根にはどんな栄養素が含まれているのでしょうか?

大根に含まれる栄養素とは

大根の栄養素や栄養成分には、下記のものが含まれています。

(根に含まれる主な栄養素)

・ビタミンC

・カリウム

・イソチオシアネート

(葉に含まれる栄養成分)

・消化酵素

大根おろしなどにすると辛みを感じることがありますが、それはイソチオシアネートという成分が含まれているからです。イソチオシアネートは、根の先端に多く含まれているため辛みの強い大根おろしが食べたい時には、根の先端をすり下ろすといいでしょう。

また、根の部分には消化酵素であるアミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼなどが含まれています。消化酵素を上手く取り入れたい場合にも、大根おろしがおすすめです。

(葉に含まれる主な栄養素)

・ビタミンC

・カリウム

・ビタミンA(カロテン)

・ビタミンK

ビタミンAは、レチノール、レチナール、レチノイン酸の総称であり、脂溶性ビタミンに分類される栄養素です。カロテンは、体内に吸収されるとビタミンAに変換され、緑黄色野菜に多く含まれる色素になります。

また、ビタミンK1は植物の葉緑体で産生される成分で、緑黄色野菜に多く含まれるのが特徴です。ビタミンA・ビタミンKは、根には含まれない栄養素になるため、葉も料理に利用することで、複数の栄養素を摂ることができます。

大根葉の栄養素をしっかり摂りたいけれど…

大根は、栽培されている時には土の中にあり、地上に出ているのは葉っぱだけです。そのため、葉には虫がつきやすくなります。

多くの農家では、虫を駆除するため農薬を散布し、大根の葉には農薬が付いていることも考えられます。もちろん、農薬を含んだ土の栄養を大根が吸収することもあるでしょう。

大きく成長するため、虫から大根を守る目的で農薬は使われますが、葉や皮まで丸ごとおいしく食べるためにはオーガニックで育てられた大根がよいでしょう。

大根の保存は野菜室で1週間が目安

大根は、さまざまな保存方法が可能です。また、保存方法によって保存期間が伸びます。

主な保存方法は3つ

・野菜室

・常温

・冷凍

それぞれの保存方法のコツを見てみましょう。

大根を野菜室で保存するときのコツ

野菜を買ってきたら、野菜室で保存するという方は多いですよね?大根も野菜室で保存することが可能ですが、長持ちさせるためのコツが2つあります。

・大根は葉の部分を切り落とす

・冷蔵庫の野菜室に立てる

大根は葉を付けたまま保存すると、根(実として食べる白い部分)から葉に栄養素が流れてしまいます。そのため、買ってきた大根はできるだけ早く葉の部分を切り落とすと保存期間も伸びるのです。

また、大根を立てて保存すると土の中にいる時と同じ状態になります。葉を切り落とし、切り口をラップなどで密閉させ水分が蒸発しないようにするのも忘れずに。

冬なら常温で保存も可能

冬の間は、暖房などを使っていない部屋で保管することも可能です。長持ちさせるためのコツが2つあります。

・暖房を使っていない部屋や場所

・新聞紙で包む

新聞紙に包むことで大根の水分を外に逃がさず保存できます。保存の目安は、約1か月です。

冷凍保存で長持ちさせる

長期保存したい場合は、冷凍しましょう。冷凍保存する場合のコツは2つです。

・切り方を工夫して保存する

・すりおろしてからでも大丈夫

冷凍した大根を料理に使う時は、解凍せず使います。そのため料理に合わせて切り、保存しておくことがおすすめです。また、切るだけではなく、すりおろした状態でも冷凍保存できます。すりおろしたものを冷凍する場合には、空気が入らないようにしましょう。

スーパーで見かける大根は「青首大根」という品種

大根は品種によって旬が異なります。旬を迎えた大根は、甘みを増しみずみずしく、ほかの時期に比べるとおいしさが増すため、品種ごとの旬を知っておくと食が豊になりますね。では、一番ポピュラーな青首大根でご案内いたします。

青首大根の旬

今日、スーパーで、一年中大根を買うことができます。大根には、さまざまな品種がありますが、私たちがスーパーで見かける大根は主に「青首大根」と呼ばれる品種です。青首大根の旬は、11月中旬~2月上旬です。冬を迎えると大根がおいしくなります。気温がグッと下がり氷点下になると、土に霜が降ります。

土の中で自らが凍ってしまわないように、大根は糖分を多く出すため甘みも強くなり、みずみずしくなるのです。

おいしく食べるには3等分して使う

大根は部位によって味が異なります。料理によって部位を使い分ければ、より一層おいしく食べることも可能です。

大根は、葉を切り取った状態で、3等分して使い分けることをおすすめします。葉に近い部分から、上、真ん中、下に分け、どんな料理がおすすめかを紹介します。

真ん中は煮物がおすすめ

大根の真ん中の部分は、甘みと辛みのバランスがいいです。

またある程度の柔らかさがあるので、煮ても程よい硬さが残るので煮物にすることで大根の食感をしっかり味わうことができます。

ふろふき大根やおでんもいいのですが、より多くの栄養素を得るためにもぶり大根がおすすめです。ぶり大根を作る時に、生姜を入れるだけではなく、ほうじ茶を使うとぶりの臭みがなくおいしく仕上げることができます。

上の部分はサラダがおすすめ

上の部分は、水分が多く含まれているためみずみずしく、甘みが強いのが特徴です。大根に含まれるビタミンCは、熱に弱い栄養素であるため加熱すると、せっかくの栄養素も得ることができません。

千切りや薄切りしたものを生で食べると、大根の甘みを感じることもでき、大根に含まれるビタミンCもより多く得ることができます。

下の部分は大根おろしがおすすめ

大根の先には、辛みの元となるイソチオシアネートという成分が含まれています。料理に薬味として添える以外には、ぬか漬けや浅漬けなどの漬物にするのもおすすめです。

ぬかなどに漬け込むことで、辛み成分が分解されます。またある程度の硬さがあるため噛み応えもあります。

大根と一緒に摂りたい栄養素とは?

大根の根にはビタミンC、葉にはビタミンAが含まれています。この2つと一緒に摂りたい栄養素は、ビタミンEです。

ビタミンC、ビタミンA、ビタミンEは、ビタミンACE(エース)と呼ばれ、抗酸化3大ビタミンとも言われています。ビタミンEは、いわしやナッツ類に多く含まれています。

ぶり大根のぶりの代用にいわしを使って「いわし大根」というのもいいでしょう。また、大根の皮と葉っぱを油でソテーし、砕いたナッツでサラダを副菜にするものおすすめです。

もし、魚やナッツが苦手な場合には、サプリメントでビタミンEを補給するのもいいでしょう。

まとめ

冬になると旬を迎える大根。

おいしくかつ多くの栄養素を効率的に摂って、体の中から元気になりたいですね。

また、おいしく食べるためにもさまざまな保存方法を活用しましょう。


ABOUTこの記事をかいた人

Webフリーライター。「2.5次元」に沼っている自由人。美容・ハーブなどの執筆も手がける、有機野菜やオーガニック野菜好きライターです。農家になりたくて県主催の農業研修を受けたほど。自ら畑を借り、有機栽培・販売を経験。多くの農家との交流から学んだこと、自然の中で育つ愛らしい野菜たちのことを多くの方に伝えます。